動画マニュアルの基礎知識を解説!メリットや作り方とは
動画を使ったマニュアルは、従業員の育成や営業活動、ユーザーへの商品説明など、さまざまなシーンで活用されています。多くの情報を効率よく伝えられる動画マニュアルは、業務手順の解説や研修教材などに適した手法だと言えるでしょう。
ここでは、動画マニュアルのメリットや作り方、活用のポイントをまとめてご紹介します。動画マニュアル作成の参考にしてください。
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目次
動画マニュアルの用途
動画マニュアルとは、動画形式で作成されたマニュアルのことです。
これまで、マニュアルは紙で作成されるのが一般的でした。しかし、近年では動画形式にするケースが増えています。文字や写真だけの紙のマニュアルに比べて、映像や音声で情報を伝えられる動画マニュアルは、簡単に多くの情報を伝えやすいと言えるでしょう。
動画マニュアルは、これからご紹介するさまざまな用途で利用されています。
業務手順マニュアル
接客業などにおける業務手順マニュアルを動画にすることで、調理や接客、清掃といった店内業務の具体的な進め方を映像で確認できます。文章や写真ではわかりづらかった細かい部分も、映像であれば省略されることなくすべて伝えられるため、どのように行動すればいいのかが一目瞭然です。
例えば飲食店の場合、メニューごとの調理手順やトラブル発生時の対応方法、電話応対の方法など、シーンに応じたマニュアル動画をそれぞれ作っておくと、必要なときに必要な情報がすぐに得られるでしょう。
研修教材
ビジネスにおける研修でも、動画マニュアルが教材として活用されています。名刺交換の方法や電話の受け方といった基本的なビジネスマナーを教える新入社員研修や、フランチャイズ店オーナー向けの店舗運営研修などに動画を活用して、受講者の理解を深めましょう。
先程ご紹介した業務手順マニュアルが具体的な業務の手順を示すものであるのに対し、研修に使われる動画教材では企業理念や経営方針などを含む、働く上での基礎知識を伝えるためにも使われます。
営業マニュアル
営業スタッフ向けのマニュアルにも、動画の活用が便利です。営業のアポイントの取り方や商談の進め方、クロージングの仕方といった実際のやりとりを動画にすることで、具体的なプロセスを伝えられます。動画であれば、初めて営業を行う従業員であっても、実際の契約までの流れをつかみやすくなるでしょう。
説明書
エンドユーザー向けの各種説明書も、紙ではなく動画で公開する企業が増えつつあります。商品の使い方やトラブル発生時の対応方法、お手入れ方法などを動画で解説することで、ユーザーが必要な情報をわかりやすく伝えられるという効果があります。インターネット上の動画であれば、紙のマニュアルのように紛失や汚損のリスクもありません。説明書を保管しておく手間や場所もいらないため、ユーザー側のメリットも大きいでしょう。
動画マニュアルのメリット
動画マニュアルの活用によって得られるメリットは数多くあります。ここでは、特に従業員向けの教育に動画マニュアルを活用することで得られるメリットを、5つご紹介します。
網羅的な学習が可能になる
紙のマニュアルをスタッフに「読んでおいて」と渡したとしても、すべてをきちんと読み込んでもらえるとは限りません。つい読み飛ばしてしまうこともあるでしょう。
動画であれば、最初から最後まで視聴してもらうことで、必要な情報を網羅的に伝えることができます。漏れなくすべての情報を確認してほしい場合に、動画マニュアルは効果的です。
情報を深く理解できる
テキストや画像ではイメージしにくい情報も、実際の行動を映像で見ることで深く理解することが可能です。
「塩をひとつまみ」といったように、人によってイメージが異なる内容を伝える際も、動画であれば実際にどのくらい塩を入れているのかが視覚的に理解できます。
業務の標準化がしやすい
全社で共通の動画マニュアルを学習教材として使用すれば、支店や店舗によって業務手順が違うといった事態を防げます。
例えば、チェーンの飲食店ではどこの店舗でも同じ手順で同じ味の料理を作り、同じクオリティのサービスで提供しなければなりません。しかし、店舗にスタッフ教育を任せていると、異なる手順で調理が行われていたり、サービスのクオリティに違いが出たりする可能性があります。 同じ動画マニュアルを使うことで、こうした店舗による差が出にくくなるでしょう。働くスタッフ側も、「先輩によってやり方が違って何が標準なのかわからない」と迷うことがなくなり、安心して業務にあたれます。
閲覧が容易である
動画マニュアルをインターネット上のクラウドなどに保管しておけば、いつ、どこからでも閲覧できます。紙のマニュアルのように「ほかの人が使っていて見られない」「出社しないと確認できない」といったことがなく、必要なタイミングですぐに必要な情報を得られ、習熟度の向上につながります。
また、業務手順別に複数の動画マニュアルを用意しておけば、必要な情報がどこに書かれているのかわからないということも起こりません。情報を探す時間が短縮できるため、業務効率化にもつながるでしょう。
外国人スタッフでも理解しやすい
外国人スタッフが多い店舗の業務手順マニュアルは 、テキストベースよりも動画マニュアルのほうが、効率良く教育を進められます。これは、動画マニュアルが目で見て実際の動き方を確認できる学習教材だからです。
日本語の習熟度があまり高くない外国人スタッフでも、動画マニュアルであればノウハウを習得しやすいでしょう。
動画マニュアルのデメリット
動画マニュアルには、メリットだけでなくデメリットもあります。利用する上で知っておきたいデメリットを4つご紹介します。
作成するためにはスキルが必要
動画マニュアルを作成するためには、動画編集のスキルが必要です。
ただ業務手順を撮影しただけの動画では、見てもらう人に内容を十分理解してもらうのは困難です。必要に応じて、説明のナレーションや字幕を入れたり、不要なシーンをカットしたりする必要があります。
作成に手間とコストがかかる
動画マニュアルは、一度作ってしまえば繰り返し閲覧できますし、複製にお金もかかりません。しかし、作成時にはまとまった手間とコストがかかります。
手間については、動画作成を外注すればある程度省けるかもしれません。とはいえ、具体的な動画の内容は、依頼した側が検討する必要があります。きちんとした内容の動画マニュアルを作るためには、相応の労力が必要だと言えるでしょう。
アップデートが困難
マニュアルの内容に変更があった場合、紙の手順書であればその部分だけを書き換えたり、上からシールを貼って訂正したりすれば同じ物を使い続けられます。
一方、動画マニュアルの修正は、変更部分を再度撮影し、編集しなければいけません。「誤解を招かないように早急な修正が必要」という場合でも、修正内容を反映させるまでにはある程度の時間がかかってしまいます。
内容がうまく身につかないことがある
動画マニュアルは、見る人が真剣に見ていなかったとしても自動的に最後まで再生されてしまいます。そのため、動画を見て覚えたつもりになっていたが、実際には手順が身についていないといったことが起こる可能性もあります。
状況に応じて理解度チェックテストを行ったり、動画マニュアルで学んだことを現場で実演させたりといった工夫が必要です。
動画マニュアルの作成方法
動画マニュアルを自社で作成する場合は、動画作成ツールなどを活用するのがおすすめです。一般的な動画マニュアルの作成手順をまとめました。
1. 動画マニュアルの目的を明確にする
まずは、作成する動画マニュアルの目的を明確にしましょう。誰に、いつ、どのように見てもらい、何を伝えるマニュアルなのかを定めておくことで、用途に合わせた表現や内容にすることができます。
<動画マニュアルの目的例>
- 誰に:店舗調理スタッフ向けに
- いつ:新規メニューの発売日前に
- どのように:個人のスマートフォンで閲覧する
- 何を伝える:新規メニューの調理手順
2. 構成案を作成する
次に、動画マニュアルの目的に応じた構成案を作成します。具体的な内容のほか、動画の長さやBGM、ナレーション、字幕の有無などについても検討しておきましょう。なお、構成案を検討する際は、机上で内容を決めてしまわないようにしてください。漏れが出てしまわないように、現場の業務に即して作成する必要があります。
例えば、調理手順であれば、実際にオーダーを受けてから完成までに何をしているのかを実際の現場で一つひとつ確認しながら、すべての手順を構成に落とし込んでいく必要があります。
3. 台本を作成する
構成案をもとに、必要な情報を簡潔に伝えるための台本を作成します。文字でセリフやシーンの説明をするだけではイメージがつかみにくいため、絵コンテを作成しましょう。どのような映像を撮るのか、どのタイミングでどんなナレーションを入れるのか、細かく決めていきます。
なお、完成した台本は、作成に関わっていない第三者にチェックしてもらうのがおすすめです。客観的に見ることで、わかりにくい部分や冗長な部分が明らかになる場合があります。
4. 撮影・録音
台本ができたら、いよいよ実際の動画を撮影します。背景に不要な物が映り込んだり、問題のある音声が入ってしまったりしないように気をつけることが大切です。また、撮影した動画は、その場で問題がないか確認してください。うまく撮れていなかった場合は、適宜撮り直しを行います。
5. ナレーションを入れる
ナレーションを入れる場合は、動画の撮影後に行います。わかりにくい言い回しを避け、話すスピードや滑舌にも注意しましょう。
6. 編集する
最後に、不要なシーンをカットしたり、字幕や図版、写真の挿入をしたりして動画を編集します。
すべての手順を網羅的に解説することに主眼を置きすぎると、長すぎて主題がわかりにくい動画になってしまう可能性があります。必要に応じて情報の取捨選択や切り分けを行うことを意識してください。
動画マニュアル活用のポイント
作成した動画マニュアルを十分に活用するために、閲覧方法や管理方法にも留意することが大切です。続いては、動画マニュアル活用のポイントをご紹介します。
スタッフが見やすい環境を作る
せっかく動画マニュアルを作っても、必要な相手に見てもらえなければ意味がありません。手軽にマニュアルを閲覧できる環境を作りましょう。
アップデートした場合は必要な従業員に周知する
新しいマニュアルを公開したり、過去のマニュアルをアップデートしたりしたときは、従業員に周知して閲覧を促します。閲覧者がわかる動画共有ツールを使うと、誰がマニュアルを確認済なのかを本部側からチェックできるので便利です。
情報管理に留意する
社内向けの動画マニュアルは、外部に流出しないように対策をとる必要があります。一般的な動画公開サイトなどにアップロードするのではなく、社内の人間だけが見られるシステムを使いましょう。
動画マニュアルの活用に役立つ「はたLuck(R)」の「学習する」機能
店舗マネジメントツール「はたLuck(R)」は、複数の店舗や支店を抱える企業に適した機能を取り揃えたサービスです。搭載されている「学習する」機能は、動画マニュアルの活用に役立ちます。
動画、テキスト、画像のマニュアルアップロードが可能
「学習する」機能は、動画マニュアルにテキストや画像を添えることができるので、「映像だけ」「テキストだけ」といったマニュアルに比べ、わかりやすい情報伝達が可能です。
カテゴリ別に格納できて、必要な情報にアクセスしやすい
「学習する」機能では、カテゴリ別にマニュアルを分類できます。複数のマニュアルがある場合でも、必要な情報にすぐにアクセスできるでしょう。
閲覧者を一括で確認できる
マニュアルを見たスタッフと見ていないスタッフを店長や本部が確認できる、「見ました」機能によって、適切なフォロー体制をとることが可能になります。
これから閲覧すべき動画や見返したい動画をすぐに確認できる
閲覧者は、自分に必要なマニュアルを「ピン留め」しておくことができます。いつでも好きなタイミングで確認できるため、習熟度向上につながります。
シフトに入っている時間だけなど、閲覧制限をかけることも可能
マニュアルはスタッフ個人のスマートフォンから閲覧することになりますが、シフトの時間のみ閲覧可能といった制限をかけることができますので、セキュリティ対策も万全です。業務時間外に仕事の連絡が届かないようにすることで、スタッフの心理的負担を和らげることもできます。
動画マニュアルを活用し、スタッフの理解度を深めよう
テキストや画像で構成された従来のマニュアルと動画マニュアルを組み合わせて使うことで、両者の足りない部分を補い合うことができます。動画マニュアルを活用し、店舗や支店におけるサービスクオリティの向上に役立てましょう。
そのためには、スタッフが動画マニュアルを閲覧しやすい環境を構築することが大切です。
はたLuck(R)には、動画公開機能に加え、スタッフの育成に役立つさまざまな機能がそろっています。オンライン相談会も行っていますので、お気軽にご相談ください。
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店舗DXコラム編集部
HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。