小売業界におけるDXの在り方とは?成功事例を交えてメリットを解説

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公開日:2021.10.19
最終更新日:2021.11.11
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昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えていますが、小売業界においては、いまだ従来のアナログな手法で経営を行う企業も少なくありません。「変えるきっかけがない」「メリットがわからない」「現場の理解が得られない」など、理由はさまざまでしょう。しかし、DXを経営に活用することは、小売業界における課題の解決にもつながります。

ここでは、小売業界におけるDXの考え方やメリットのほか、成功事例をまとめて解説します。

小売業界の現状と課題

店舗運営において、複数のアルバイトやパートスタッフを店舗で抱える小売業界では、シフト勤務のため、業務に無駄やムラが発生しがちです。これからご紹介するような、無駄やムラが発生してしまいがちな現状を把握し、課題解決のための対策をとりましょう。

フルタイム勤務者が少ない

小売業の店舗スタッフは、多くが短時間勤務のアルバイトやパートです。そのため、店舗の状態をすべてのスタッフが十分に理解するのは困難です。

フルタイム勤務で毎日出勤しているスタッフであれば、キャンペーンや新商品情報、その日の出来事などをしっかり把握できるでしょう。しかし、週のうち数日しか勤務しないスタッフや、勤務時間が短いスタッフは、そのような情報を把握しきれない可能性が高くなります。

情報伝達が不確実である

小売業界では、本部の定めた経営方針やキャンペーン情報などを随時店舗に伝えて、現場で実践してもらう必要があります。ところが、情報伝達ツールが限られている場合も多く、本部から店長、店長からスタッフという情報伝達がスムーズにいかないケースが見られます。

情報伝達がうまくいかないパターンについて、3つの例を見ていきましょう。

・本部から送られてきたキャンペーン情報を店長が印刷して店舗に貼り出す

本部からのキャンペーン情報をスタッフに伝えるために、店長がパソコンから印刷して店舗に貼り出すことがあります。このような掲示物による伝達は、誰が見たのかが確認できないという問題があります。また、そもそも掲示に気づかなかったり、重要な情報だと思わずに見逃してしまったりする可能性もあるでしょう。

・本部がスタッフ向けマニュアル動画を用意して、各店舗に配信する

スタッフのスキルを底上げするためにマニュアル動画を作成しても、店舗にパソコンが1台しかないと、すべてのスタッフが確認するのは困難です。結局、現場で先輩の仕事を見て覚えているというスタッフも多いのではないでしょうか。しかし、現場での教育だけに頼ると、作業の一部が忘れられてしまったり、教える人によって作業手順が異なったりする可能性が高まります。

・本部からの情報を口頭でスタッフに伝達する

本部から受け取った情報について、口頭で店長からリーダースタッフ、リーダースタッフからそのほかのスタッフへと伝達していくケースもあるでしょう。しかし、口頭での伝達を繰り返すと、情報の伝え漏れや改変が起こるリスクが高まります。最終的に現場に出たスタッフが、誤った情報にもとづいて動いてしまう可能性もあります。

失敗事例に関する原因究明が困難である

小売業界では、店舗内の運営が店長やスタッフ任せになっていて、運営状況が可視化できないケースが多くなっています。そのため、失敗が起こった場合に原因を究明することができず、改善が困難であるという問題が多く起こります。

例えば、「本部が企画した新しいキャンペーンについて、想定したほど売上増加につながらなかった」という事例を挙げてみましょう。

このような場合、何が原因で売上増ができなかったのかを解明できれば、次回の施策に活かすことができます。ところが、多くの小売店舗では原因を特定するのが困難な状況に陥ります。なぜなら、いつ、どのように情報が伝達され、どのように実行したのかの履歴が残らず、どこに問題があったのか実情を把握できないからです。

これでは、本部が企画したキャンペーンの内容そのものに課題があったのか、それとも、キャンペーンの内容は良かったものの、スタッフへの周知が不足していて顧客に対するアピールが足りなかったのか、あるいは周知はされていたものの実行力が伴っていなかったのかといった、さまざまな可能性の中から真の原因を絞り込むことができません。

シフト作成や情報共有に時間を取られる

店長をはじめとする店舗管理者が、シフト作成やスタッフへの情報伝達といった事務作業に時間を取られがちである点も、小売業界の課題だといえるでしょう。

シフトの希望を集めて、それにもとづいた適切なシフトを組むには、かなりの時間と手間がかかります。さらに、スタッフへの周知や欠員対応なども必要です。また、情報共有のために店舗内に置いたノートに本部からの連絡を転記したり、パソコンからプリントアウトした周知すべき情報を掲示したりするのにも手間がかかります。

シフト作成や情報共有は、店舗運営のために必要な仕事です。しかし、一つひとつの作業に手間がかかりすぎていて、顧客対応や売上アップといった業務に十分な時間をさけないようでは本末転倒です。

小売業界におけるDXとは?

そもそもDXとは、デジタル技術を活用することで業務改革を行い、競争力を高めていくこと」です。しかし、単純にこれまでアナログで行っていた作業をデジタル化すれば良いというものではありません。

例えば、「店舗内の情報伝達に使われている紙のノートをデジタル化するのがDXだ」と考えている方もいるかもしれませんが、それでは不十分だといえます。「紙のノートをデジタル化することによって何を叶えたいのか」「それは本当にノートのデジタル化によって叶えられるのか」という部分が抜け落ちてしまっているからです。

DXというのは、目的ではなくあくまでも手段です。常に、何のためにそれを行うのかを考える必要があるでしょう。先の例でいうなら「店舗内の情報伝達を紙のノートで行っているが、書き込みと閲覧に時間がかかりすぎているため、デジタル化してもっとスピーディーに発信・閲覧できるようにする」というのがDXです。

小売業界におけるDXは、従業員の能力を拡張するために活用されるべきものです。DXによって業務を効率化し、スタッフの習熟度や理解度、モチベーションを上げていくことは、最終的に実店舗における顧客体験の向上につながります。

ECサイトが人々の暮らしに浸透する中で、実店舗の役割も変わってきています。単純に物を買うだけなら、わざわざ店舗に行く必要はありません。店舗だからこその顧客体験価値を提供することが、今後の小売業界に求められる要素だと考えられます。

実店舗ならではのサービスを提供できる体制を整えるために、DXを行う必要があるといえます。

DXによって得られる具体的なメリット

あらゆる業界においてデジタル化の推進が求められる昨今、小売業界においてDXを進めると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

小売業界がDXを行うことによって得られる具体的なメリットを、3つご紹介します。

生産性の低い業務を効率化することで、付加価値の高い仕事にフォーカスできる

店舗運営を行う上では、シフト作成や情報伝達のためのノートの記入といった業務が発生します。これらの仕事をデジタル化することで、顧客満足度向上に直結する仕事に時間を使えるようになります。

例えば、「シフト希望を紙で集めてExcelに転記、シフト表を作成する」という従来の方法を、「アプリから登録された希望シフトをシフト表に自動反映、そのままアプリ上でシフト作成・周知」という方法に変えれば、下記のような手間や時間を削減できるでしょう。

<DX化によって削減できる手間>

  • シフト希望を集める手間
  • Excelなどに転記する手間
  • シフトを周知する手間
  • 転記ミスや確認ミスによる修正・調整の手間

場所にとらわれない管理ができる

店舗を統括するSV(スーパーバイザー)は、定期的に店舗を訪ねて状況の確認や情報の伝達などを行っています。しかし、DXによってリモートでの管理が可能になれば、店舗に行かなくても運営状態を確認できるようになります。そうなれば、移動の時間と手間を大幅に削減できるでしょう。

また、週に1度といった限られたタイミングだけでなく、いつでも店舗運営に関するアドバイスをすることも可能です。店長側からも、施策に関する経過報告をリアルタイムで送れますから、双方向のコミュニケーションが容易になり、店舗管理がよりスムーズに行えます。

情報を確実に伝達できる

本部からの情報伝達は、店舗のパソコン宛に送られてくることが多いでしょう。しかし、小売店の店舗には、限られた台数のパソコンしか置かれていない場合があります。マニュアルや新製品の情報などを出勤時に確認しようとしても、スタッフの数に対してパソコンが少ないと、スムーズにチェックすることができません。

DXによって、本部などからの情報を個人の端末で確認できるようになれば、スタッフも都合のいいタイミングで手軽にアクセスできます。また、情報を誰が見たかがわかる機能を搭載しているシステムであれば、情報伝達漏れも防ぐことが可能です。

小売業界のDXを加速させる「はたLuck(R)」の機能

店舗変革プラットフォームである「はたLuck(R)」を活用することで、小売業界のDXを加速させることが可能です。ここからはDX化に役立つ、はたLuck(R)の機能を5つご紹介します。

1 情報共有を確実・簡単に行える「連絡ノート」機能

「連絡ノート」は、スタッフへ情報を伝えるための機能です。連絡ノート機能を使うことで、紙のノートによる情報共有から、スタッフが各自のスマートフォンで情報を確認できるようになります。

「見ました」ボタンで、誰が確認したのかも可視化されるため、情報伝達を確実に行うことが可能です。

また、共有した情報がフローで流れていくのではなく、情報資産として分類、蓄積できるのでナレッジ共有が容易になります。

2 気軽に使える「トーク」機能

「トーク」機能は、仕事専用のコミュニケーションツールです。スタッフとのやりとりには私用SNSを使うケースもありますが、こうしたツールには、辞めた人のID管理や、個人の端末に情報を保存できてしまうことによる情報漏洩といったセキュリティリスクがあります。

はたLuck(R)のトーク機能であれば、アプリ内でやりとりができ、退職者IDやトークルームの管理も簡単です。また、はたLuck(R)上ではスクリーンショットを撮ろうとすると警告メッセージが自動表示されたり、個人端末に情報を保存できなかったりする仕様になっています。さらには、わかりやすい操作性で、スタッフが直感的に使える点もメリットです。

3 コミュニケーション活性化に役立つ「星を贈る」機能

「星を贈る」機能は、スタッフの良かったところや感謝の気持ちを、星を贈るというアクションで表す機能です。当該投稿を見た人が「拍手」で反応することもでき、コミュニケーションの活性化に役立ちます。

アルバイトやパートのスタッフ同士は、出勤時間の違いなどの理由で、直接ほめたり感謝したりする機会がない場合も多いと思います。星を贈る機能で、スタッフ同士が気軽に感謝を伝え合う環境を作れば、やりがいや喜びにつなげることが可能です。

さらに、感謝の気持ちを送るだけでなく、どういった点で基準に足りないかといったフィードバックが可能なので、仕事の基準がわかりやすくなるというメリットもあります。星を贈るというポジティブなアクションで評価基準を伝えていけば、スタッフのスキルアップに役立つでしょう。また、スタッフ同士の絆が強まることで、業務中の意思疎通や情報伝達もスムーズに行いやすくなるという効果も期待できます。

4 マニュアルの再確認もできて安心な「ストレージ」機能

業務に必要な知識が詰まったマニュアルですが、スタッフが見られなければ意味がありません。「ストレージ」機能なら、情報をいつでも自分の端末からすぐに確認できるので、スタッフのスキルの底上げやミスの防止に活用できます。

また、マニュアルを確認しやすくすることで、新しい業務に取り組むスタッフの不安を軽減し、習熟度をスピーディーに高める役割も期待できます。

5 「シフト管理」機能で毎月の手間を大幅に削減

「シフト管理」機能は、スタッフの希望のヒアリングからシフト作成・周知・欠員募集までをアプリ上で一括して行える機能です。

店長の「シフトを作成する手間」と「欠員調整をする手間」に加え、スタッフ側の「希望を提出する手間」と「シフトを確認する手間」まで、まとめて削減できます。

勤怠管理システムへのデータ移行も可能で、シフト管理にかかる手間を減らし、ミスをなくすために役立ちます。

「はたLuck(R)」を活用した小売店のDX事例

最後に、はたLuck(R)を使っている企業の中から、実際にDXに成功した2社の事例をご紹介します。

株式会社メガスポーツ様

株式会社メガスポーツ様は、膨大な商品に関する情報やキャンペーン情報をスタッフに効率良く周知するために、はたLuck(R)を導入しました。

・連絡ノート機能の活用

これまでの情報伝達は、店舗に置いた紙のノートで行っていましたが、スタッフの出勤時間が重なるとノートを見るための順番待ちが発生してしまい、非効率的でした。また、ノートに情報を書き込む手間もかなりの負担です。

はたLuck(R)の「連絡ノート」機能が導入されてからは、売り場の写真などを撮ってそのまま発信できるので、情報伝達にかかる労力が大幅に削減されました。ノートにはタブが作れるので、「引き継ぎ」「キャンペーン」「シフト」などのタブを使って、複数のノートを管理・情報発信しています。以前に比べて、スタッフ側の情報の理解度も上がっています。

・星を贈る機能の活用

はたLuck(R)を使った情報共有が現場に浸透してきたタイミングで、「星を贈る」機能も使い始めました。

スタッフに良い点を伝えられる星を贈る機能は、贈られたスタッフのモチベーションアップにつながるだけでなく、「管理者がどこを評価しているのか」「どこが良かったのか」を、ほかのスタッフにも共有できるというメリットもあります。

他店舗の活用事例を見た別の店舗の店長も使い始めて、星を贈り合う環境が広がっています。

株式会社オオゼキ様

株式会社オオゼキ様は、現場スタッフのモチベーションの向上と、連携強化に活用できる点に魅力を感じて、はたLuck(R)を導入しました。

・星を贈る機能の活用

「星を贈る」機能には、面と向かっては言いづらい誉め言葉を伝えやすくできるというメリットがあります。特に、若いスタッフにとって、ほめられることはモチベーションアップに効果的です。

そこで、「星を贈ろうキャンペーン」を実施。店長が、積極的にスタッフに星を贈りました。「スタッフ全員に星を贈りたい」という思いでたくさんの投稿を行うことで、感謝を伝え合う環境を作ることに成功。これによって、店舗全体の一体感が生まれ、売上アップにもつながっています。

・レポートの活用

はたLuck(R)のカスタマーサポートから定期的に届く「レポート」で、それぞれの店舗がどのようにはたLuck(R)を活用しているのか、また、それによってどのくらいの効果が出ているのかを本部がチェックしています。

活用率が最も高かった店舗では、店長が積極的にはたLuck(R)を使い、スタッフ内への浸透にも尽力しています。その結果、スタッフコミュニケーションが活発になり、スタッフの顔つきが明るくなる、主体的に動くようになるといった効果が出るようになりました。

DXでスタッフの能力を拡張しよう

スタッフの能力を拡張させるためにDXを活用すれば、より働きやすく、働きがいのある職場を作れます。これは、スタッフの満足度向上や離職率のダウンにもつながり、ひいては顧客満足度の向上や売上アップに結びついていくでしょう。 ところが、DX自体を目的にしてしまうと、かえって現場に負担がかかってしまうこともあります。DXを行う際は、目的と手段を混同せず、何のために行うのかを意識することが大切です。

DXの取り入れ方に不安がある方や疑問がある場合は、はたLuck(R)の店舗運営DXに関する無料相談会でお気軽にご相談ください。

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