売上をアップするために、顧客満足度(CS)を上げてリピーターを増やす必要があります。
ただ、具体的な顧客満足度の上げ方や測定方法についてはイメージがつかない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、顧客満足度を測る指標や調査方法はもちろん、顧客満足度を上げる方法について解説します。
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目次
顧客満足度(CS)とは?
近年、商品やサービスを提供する企業の多くが顧客満足度の向上に力を入れています。一方で、顧客満足度がどのような指標なのか、なぜ意識しなければならないのかよくわからないという人もいるかもしれません。
まずは顧客満足度の定義や意識しなければならない理由について解説しましょう。
顧客満足度(CS)の定義
顧客満足度は、企業が提供する商品やサービスが、顧客の期待に応えられているかを表す指標です。
商品やサービスを購入する前の顧客は、使用感や接客などに期待しています。
購入した結果、事前に持っていた期待を上回るものであれば、顧客は満足感を感じます。反対に購入した商品が事前の期待値を下回った場合は、顧客満足度が低下するのです。
そのため、顧客満足度を上げるためには、顧客の期待を超えるような商品の販売やサービスの提供をしなければなりません。
顧客満足度(CS)を意識しなければならない理由
顧客満足度という言葉が日本で使われ始めたのは、1991年といわれています。当時の時代背景とあわせて、企業が顧客満足度を意識しなければならなくなった理由について解説します。
他社との競争激化
顧客満足度が叫ばれるようになった1991年は、高度経済成長期が過ぎ去り、日本のバブル経済が崩壊した頃です。そして、その頃から市場の成熟化が始まり、以後インターネットの登場により消費者取引が多様化するようになりました。商品やサービスの情報収集もしやすくなったため、購入をする際の選択肢も増加したのです。
また、日本の人口は令和4年11月時点で1億2,485万人(総務省統計局)と平成14年の1億2743万5,000人と比較すると250万人以上減少しています。人口が減っているにも関わらず、商品やサービスの選択肢は多くなっているため、企業が顧客満足度を意識しなければ生き残っていくのが難しくなったのです。
SNSの普及
SNSが広く普及したのも、顧客満足度を意識しなければならなくなったもう1つの理由です。ICT総研が発表した2022年度 SNS利用動向に関する調査結果によると、日本のSNS利用者は8,270万人で、普及率は82%にも上ります。
SNSには拡散性があるため、よい口コミも悪い口コミも、多くの人に伝わりやすくなったのです。例えば、森永製菓株式会社が2020年にTwitterで「♯ベイクを買わない理由100円買取キャンペーン」を実施しました。
このキャンペーンは、同社のチョコレート「ベイク」を買わない理由を100円で買い取るという内容でしたが、ツイートから数時間で4万リツイートを達成しました。同社のように顧客が満足する取り組みを行うと、よい口コミが短時間で広がるため売上アップや企業のブランドイメージが狙えます。
一方で、企業が不祥事を起こしたり顧客対応に問題があったりすれば、悪い口コミも広がってしまいます。顧客満足度が高い企業でなければ、生き残るのが難しい時代になったと言えるでしょう。
顧客満足度(CS)を測る主な3つの指標
顧客満足度を上げたいと考えていても、そもそも現在の状況がわからなければ、改善はできません。また、顧客満足度が向上しているのかどうかを把握するための基準も知っておく必要があります。
ここでは、顧客満足度を測る際によく利用される3つの指標について見ていきましょう。
NPS(Net Promoter Score)
PSとは、顧客ロイヤリティを指す言葉で、企業や商品・サービスに対する信頼度・愛着・忠誠心を測定する指標です。「商品やサービスをどの程度家族や友人に推奨したいか」という質問を投げかけ、顧客は11段階で評価します。
そして、評価は以下の3つに分けられます。
- 0〜6点は批判者
- 7〜8点は中立者
- 9〜10点は推奨者
集計が終了したら、推奨者の割合から批判者の割合を引けば、NPSの数値がわかります。
しかし、質問の仕方次第で評価が中間値に偏ってしまうので、利用者の抱える本音の評価がつかめない可能性もあります。
CSI(Customer Satisfaction Index)
CSIとは顧客感動満足のことで、自社の商品やサービスに関連のある質問を複数用意して、各質問の平均値を基に顧客満足度を測定する指標です。
- 顧客期待値
- 顧客忠実度
- 顧客不満度
- 知覚品質
- 知覚値
回答者の数が多いほど、顧客満足度を測りやすくなるので、大企業や政府などを中心に利用されています。
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
JCSIは、経済産業省・学識研究者・各企業の協力支援で開発された指標で、CSIを日本の産業形態に合わせてカスタマイズしたものです。CSIの項目に推奨意向を付け加えることで、顧客が満足した理由、サービスを提供したら顧客がどのように行動するのかがわかります。
1項目毎に3〜4つの質問があり、0〜100点で評価します。
集計が完了したら顧客が感じた価値(P)から事前の期待値(E)を引いた割合で顧客満足度を測ることができます。
この時、PがEよりも大きいと顧客満足度も高く、逆にPがEを下回る場合は顧客満足度が低いということです。
顧客満足度(CS)の調査方法
顧客満足度は、顧客に対して直接調査を行います。一方で、調査方法によって特徴が異なるので注意が必要です。
顧客満足度の調査方法の特徴やどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
アンケート
アンケート調査は、以下の3つの方法があります。
- インターネット調査
- 郵送調査
- 電話調査
短期間かつ低コストで多くの人の顧客満足度を調査したい場合、インターネット調査を利用します。
パソコンやスマホの操作に慣れていない人や自分のペースで回答したい人を対象にするなら、郵送や電話での調査を行うケースもあります。
インタビュー
顧客満足度の評価を知りたい場合は、インターネット調査や電話調査などで十分な情報を集められます。しかし、顧客が満足した理由や背景など深く踏み込んだ調査をしたい場合は、インタビューを利用しなければなりません。
インタビューにはさまざまな方法があり。代表的なものは以下の3つです。
グループインタビュー | 4〜8人を会場に集めて座談会のように自由に発言する |
デプスインタビュー | 企業の担当者と対象者が1VS1で行う |
エスノグラフィー | 対象者の自宅に調査員が行き、行動を観察する |
たとえば、グループインタビューの場合、複数人の意見を直接聞けるので効率的に大勢の意見を集められます。しかし、人前で話すのが苦手な人が参加すると、ほかの調査対象者の意見に引っ張られたり本音を話してくれなかったりするリスクもあるので注意が必要です。
デプスインタビューは、利用者さえも気づいていない潜在的なニーズを把握できるため、なぜ満足するに至ったのか、どのようなニーズを持っていたのかなど深く調査できます。
エスノグラフィーは、自宅などより対象者の環境に近い状況で調査ができるため、現実味のある考えを把握可能です。
ただし、デプスインタビューやエスノグラフィーは、一度に大人数の調査ができないのがデメリットです。
覆面調査
覆面調査は、調査員が顧客に紛れて店舗や施設を訪問し、商品・サービスの質を評価する方法です。飲食店やレジャー施設の顧客満足度調査で行われることが多いです。
顧客に十分なサービスを提供できているか、利用者の反応が悪くないかといった現場のありのままの状態を把握し、商品・サービスの強化に役立てることができます。
一方で、現場のスタッフから「粗探し」といった印象を持たれてしまう恐れもあります。覆面調査の目的をきちんと伝えたり、調査結果の共有時には一緒に改善策を考えたりするなどして、必要以上にプレッシャーを与えないようにしましょう。
モニタリング
モニタリングとは、現場で顧客とのやり取りや行動を観察して評価する方法です。アンケートよりもコストはかかりますが、既存顧客だけでなく、一般消費者から意見を募れます。
また、コールセンターのように管理者がスタッフの顧客応対をチェックすることで、応対品質向上に活かすやり方もあります。
ただし、多くの人の顧客満足度を収集するのが難しいうえ、調査方法によってかけられる時間・費用・質問の深さが変わるので、より自社に適したものを選ばなければなりません。
顧客満足度(CS)を上げるメリット
顧客満足度を上げると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、顧客満足度を上げるメリットをいくつか紹介します。
リピーターの増加
顧客満足度を上げると、商品やサービスに満足すると、愛着が湧きやすくなり、自然とリピーターが増加します。一般的に、新規顧客の獲得にかかるコストはリピーターの5倍必要といわれています。
売上を増やしたいのであれば、少ない費用で効率的にリピーターを増やすために、顧客満足度を上げましょう。
LTV(顧客生涯価値)の改善
LTV(顧客生涯価値)とは顧客が一生涯で企業にもたらす利益です。生涯に顧客が企業に支払うお金は、新規顧客よりもリピーターの方が多くなります。
顧客がリピーターになると、取引期間の長期化や利用する金額がアップするなどの効果があるからです。LTVが高ければ、新規顧客が少なくても、リピーターだけである程度売上が立つようになります。
SNSによる口コミで新規顧客を獲得できる
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社が行ったSNSのクチコミが購入・来店に与える影響調査(2022年)によると、モノやサービスの購入検討時に最も影響を受けるのはSNS検索で見つけた投稿であることがわかりました。
商品やサービス内容に満足した顧客は、TwitterやInstagramなどのSNSによい口コミを投稿します。ほかの顧客はそういった口コミを見て、興味を持ちます。
また、口コミで来店した人の2人に1人は、自身も商品やサービスの内容についてSNSに投稿していると言われています。顧客満足度を向上できれば、新規顧客の獲得も容易になるのです。
企業・ブランドに対するイメージの向上
顧客満足度が向上すると、商品への愛着を持つ顧客が増えるため、企業・ブランドに対するイメージの向上につながります。商品やサービスの利用を検討する際の想起率がアップするだけでなく、他社よりも価格が高くても利用してもらいやすくなります。価格以外の点で競合企業と差別化を図りやすくなり、顧客から選ばれるようになるでしょう。
また、ブランドイメージの高い企業には能力が高く意欲のある求職者も集まるので、採用活動もしやすくなります。
顧客満足度(CS)を上げる方法
顧客満足度を上げるためには、その方法について把握しておかなければなりません。そこで、顧客満足度を上げる方法を紹介します。
商品・サービスの品質を向上する
顧客満足度を上げるのに、もっとも重要な点は商品・サービスの品質向上です。
販売方法を工夫したり丁寧な接客を心がけたりしても、肝心の商品やサービスの質が悪ければ、顧客満足度は向上しません。
よって、商品やサービスの品質を向上するために以下のような施策を行いましょう。
- 商品の機能を増やす
- 顧客が喜ぶ新たなサービスを考案する
- スタッフへの教育を行う
レストランであれば、新メニューの開発や材料の変更、スタッフの接客品質の向上、サプライズやオプションの追加などがあります。顧客が何を求めているのか正確に把握した上で、期待を超えるサービスや商品を提供するとよいでしょう。
従業員満足度(ES)の改善
スタッフが職場環境や待遇に不満を抱えていると、顧客のために頑張るモチベーションが上がりません。最悪のケースでは、会社を離職するスタッフの増加により、顧客満足度が悪化するでしょう。
顧客満足度を上げるためには、従業員満足度も改善しなければならないのです。
従業員満足度を改善するには、以下の4つの方法があります。
- スタッフの意見を積極的に採用する
- 福利厚生の充実を図る
- 目標と成果に応じて正当な評価を行う
- スタッフ同士がスムーズにコミュニケーションしやすくする
施策によっては時間がかかりますが、従業員満足度が向上すれば、顧客満足度にも良い影響が期待できます。
それぞれの方法について、順番に解説します。
顧客満足度(CS)の定期的な調査
現在の状況を把握するがわからなければ、顧客満足度を上げるためには、現在の状況を把握する必要があります。加えて、商品やサービスに対する顧客の反応やニーズが時期によって変化するケースも珍しくありません。
そこで、過去の施策により顧客満足度がどう変化したのか調査する必要があります。
効果が出ていない場合は、ほかの施策に切り替えるのかアプローチの方法を変えるのかなどを考えなければなりません。顧客の変化を見逃さないように、顧客満足度は定期的に調査しましょう。
顧客との接点を強化
顧客満足度の向上は、商品やサービスを購入する人のみが対象ではありません。
自社の商品やサービスを利用していないときも、積極的に顧客と接点を持ち強化していきましょう。たとえば、メールマガジン・SNS・ブログなどを使って、自社製品の利用方法や業界知識など顧客にメリットのある情報を発信すれば、常に顧客との接点を持つことができます。
普段から顧客と接点を持っておけば、商品・サービスを販売したいときに、想起してもらいやすくなります。
接点を持つ方法を複数用意しておけば、より多くの顧客にアプローチができるのはもちろん、商品の魅力を効果的に伝えやすくなるでしょう。
顧客満足度(CS)向上の成功事例
顧客満足度を上げたくても、自社の商品やサービスにどのように活かせばよいのかイメージが湧かない人もいるかもしれません。
実際に顧客満足度の向上に成功した事例を参考にしてみましょう。
スターバックス
スターバックスは、日本生産性本部サービス産業生産性協議会が行った2022年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査において、顧客満足度の高いカフェ1位を獲得しました。
実は、スターバックスにはもともとマニュアルがありません。ブランドの目指すビジョンの共有と柔軟なサービスを提供するために店舗に多くの権限を持たせています。
その結果、スタッフが自主的に顧客に満足してもらえるような接客ができるようになりました。
こういった取り組みにより、日本に進出してから25年以上経った今でも、顧客満足度の調査で上位を獲得する成果を上げているのです。
セイコーマート
セイコーマートは、北海道に多くの店舗を持つコンビニエンスストアです。日本生産性本部サービス産業生産性協議会が行った2022年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査において、7年連続で1位を獲得しました。
セイコーマートが顧客から支持されている理由は、以下のような大手のコンビニエンスストアがやらないことをやっているからです。
- 原料から調達して北海道ブランドの商品を製造・販売する
- 店内の厨房で作った弁当や惣菜を販売する
- 10kgのお米を販売する
- アイスクリームの在庫量の確保と販売に力を入れる
- FCオーナーに裁量権を持たせる
特に、店内の厨房で作った弁当や惣菜は熱烈なファンがいます。また、過疎地域にも積極的に出店しているため、高齢者からもなくてはならない存在になっています。
このように、大手のコンビニエンスストアがやらないことを行うことで、高い顧客満足度をキープし続けているのです。
顧客満足度(CS)を上げるなら「はたLuck(R)」がおすすめ
顧客満足度を上げるためには、スタッフが働きやすい環境を作る必要があります。そのためにおすすめのツールが「はたLuck(R)」です。
顧客満足度向上につながる、「はたLuck(R)」のさまざまな機能について紹介します。
頑張ったスタッフにクーポンを届ける「クーポン」機能
はたLuck(R)では、頑張ったスタッフへお得なクーポンを配信できます。
クーポンをもらったスタッフは、自分の頑張りが評価されるので、モチベーションアップにつながります。給料とは違い、決まった日でなくともクーポンを送ることができる点もメリットです。
加えて、来店者の少ない閑散タイムにクーポンを送れば、店舗の利益アップも狙えます。
気軽に感謝の気持ちを伝える「星を贈る」機能
顧客満足度を上げるためにはスタッフ同士のスムーズなコミュニケーションが必要です。「はたLuck(R)」には、一緒に働くスタッフへ感謝や激励の気持ちを伝えられる「星を贈る
」機能があります。
シフトに協力してくれたスタッフや新しく入ったスタッフに送れば、モチベーションアップの効果が期待できます。積極的に「星」を送りあう店舗では、スタッフの離職率が下がる傾向もあります。
スタッフのスキル向上ができる「マニュアル」機能
顧客満足度を上げるためには、どのスタッフも質の高いサービスを顧客に提供できなくてはなりません。
しかし、新人とベテランでは、提供するサービスの質に差が生じてしまうのは当然です。「はたLuck(R)」のマニュアル機能を活用すれば、スマホを通して動画・テキスト・画像のマニュアルを使った指導ができるようになります。さらに、配布したマニュアルの閲覧者を一覧で確認できるので、全スタッフに対して均一にフォローが可能です。
マニュアル機能があることで、効率的にスタッフのスキル向上が見込めます。
こまめな情報連携でサービス品質を上げる「連絡ノート」機能
スタッフにキャンペーン情報や引き継ぎなどを毎回伝えるのに苦労している店舗も少なくないでしょう。
その点、「はたLuck(R)」には「連絡ノート」機能があるので、スタッフがたくさんいてもかんたんに情報を伝えられます。連絡事項を確認したスタッフも「見ました!」ボタンを押すだけでよいので、管理者や店長に伝える負担を減らせます。
「はたLuck(R)」を活用すれば、スタッフとの円滑なコミュニケーションにより顧客対応のスキル向上が見込めるので、顧客満足度を上げられるのです。
はたLuckサービス概要資料、導入事例集
店舗サービス業向け、商業施設向け、それぞれのサービス概要資料をご用意しています。導入事例集も一緒にダウンロードが可能です。
顧客満足度(CS)を上げて、売り上げアップを目指そう
顧客満足度の向上は、企業にとって売上を左右する重要なテーマです。顧客満足度を上げれば、リピーターの増加、ブランド力の向上、SNSなど口コミでの新規顧客獲得ができるようになります。
顧客満足度を上げるためには、商品やサービスの質を改善したり、従業員満足度を上げたりしなければなりません。「はたLuck(R)」を活用すれば、従業員満足度が向上するので、顧客満足度も上げやすくなります。頑張ったスタッフにはクーポンや星を送ってモチベーションのアップを図り、マニュアル機能を活用すればスタッフのスキルも向上します。
顧客満足度を上げる施策をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
店舗DXコラム編集部
HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。