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なぜ接客研修だけではCSが上がらないのか?現場の負担を減らして満足度を高める方法

笑顔のカフェ店員

「もっと笑顔で接客しよう」「お客様の期待を超えよう」――。CS向上の大切さは誰もが分かっています。現場のスタッフだって、本当はお客様に喜んでもらいたい。しかし現実は、慢性的な人手不足や日々のルーティン業務をこなすだけで精一杯。本部の理想と現場の余裕のなさがぶつかり、「やりたいけれど、今はこれ以上手が回らない……」というジレンマに陥っていませんか?

この記事では、精神論や無理な努力に頼らず、「仕組み」でCSを高めるための現実的なアプローチを解説します。

この記事を読むと分かること

  1. 接客研修だけではCSが頭打ちになる根本的な理由
  2. 現場の負担を最小限に抑えながら満足度を高める5つの具体的ステップ
  3. 従業員満足(ES)がCS向上に不可欠である理由とそのメカニズム
  4. ITツールを活用した、自走する接客チームの作り方

こんな方におすすめ!

  • 「CSを上げろ」と言われるが、現場にどう落とし込めばいいか悩んでいるSV・課長クラスの方
  • 現場の忙しさを理解しつつも、サービス品質を底上げしたい運営担当者
  • リピーターを増やし、価格競争から脱却したい店舗経営者

現場を無理に追い込むのではなく、スタッフが「前向きに」取り組める環境を整えることで、自然とお客様に選ばれる店へと変わっていく。そのための現実的な処方箋をお届けします。

目次

接客におけるCS(顧客満足度)向上とは?

接客におけるCSとは

接客業におけるCS(Customer Satisfaction)向上とは、単に「クレームがない状態」を目指すことではありません。お客様が事前に抱いていた期待値を、現場のサービスが上回った時に生まれる「感動」や「満足」を積み上げることです。 その結果として、お客様が「この店を選んでよかった」「また次もここに来よう」と感じる再来店意向(リピート意向)を最大化させることが、接客におけるCS向上の真のゴールです。

CSが改めて注目される理由

今、あらゆる業界でCSが再注目されている背景には、市場の成熟化があります。現代はモノやサービスが溢れ、スペックや価格だけでは差別化が困難な「コモディティ化」が進んでいます。 顧客はネット上の口コミやSNSで容易に情報を比較できるため、一度でも「期待外れ」と感じれば、すぐに他店や競合企業へと流出してしまいます。

一方で、接客を通じて得られる「心地よさ」や「自分を大切に扱ってくれた」という体験価値は、競合が容易に真似できない強力な武器となります。 物理的な価値だけでなく、感情的な価値が選別の基準となっているからこそ、接客の重要性が高まっているのです。

CSを測る主な指標

CSは主観的な感情であるため、定量的・定性的な指標で「見える化」することが改善の第一歩となります。 代表的な指標には以下のものがあります。

  • 顧客満足度アンケート:来店直後の満足度を5段階などで評価。現場の強みと弱みを直接把握できます。
  • リピート率・来店頻度: 「また来たい」という意向が実際の行動に現れた結果であり、収益への貢献度を示す指標です。
  • NPS(ネット・プロモーター・スコア):「その店を友人や知人に勧めたいか」を問い、顧客のロイヤリティ(信頼度)を数値化します。継続的なファン形成を図る上で、近年のスタンダードとなっています。
  • VoC(Voice of Customer):アンケートの自由回答やSNSへの投稿内容など。数値化しにくい「なぜ満足したか(不満だったか)」の背景を知る手がかりになります。

これらの指標を組み合わせることで、「現場の接客が本当にお客様に届いているか」を客観的に判断できるようになります。 大切なのは、指標を追うこと自体を目的にせず、現場が「どうすればお客様により喜んでもらえるか」を考えるためのツールとして活用することです。

接客で差をつけるメリット

現代のサービス業において、競合他社と同じような商品を、同じような価格で提供しているだけでは、生き残ることは困難です。そこで重要になるのが、現場の「人」が提供する付加価値です。なぜ接客によって差がつくのか?その理由には、サービス業界の成熟が大きく関わっています。

スペックや価格だけでは選ばれない時代

かつては「安さ」や「便利さ」だけで集客が可能でした。しかし、今やインターネットで検索すれば、同等のスペックを持つ商品はいくらでも見つかります。 機能や価格の差がわずかであれば、お客様は「失敗したくない」という心理から、安心できるブランドや、過去に良い体験をした店舗を選びます。逆に言えば、どんなに商品が良くても、接客で不快な思いをすれば、二度とその店を訪れることはありません。差別化が難しい時代だからこそ、現場の接客クオリティが最後の決め手となるのです。

「誰から買うか」という体験価値がLTVを左右する

お客様の記憶に強く残るのは、マニュアル通りの完璧な作業ではなく、ふとした瞬間に感じた「人の温かさ」です。 例えば、「いつもありがとうございます」という一言や、こちらの好みを察した提案。こうした「自分を認識してくれている」という体験が、単なる客と店の関係を、ブランドとファンの関係へと昇華させます。 「この店に行けば元気をもらえる」「このスタッフさんなら信頼できる」という感情的なつながりは、LTV(生涯顧客価値)を劇的に高めます。お客様はブランドそのものだけでなく、「そのブランドを支えている人」に惹かれてリピーターになるのです。

「接客文化」を築くことが最大の競合優位性に

他店が最も真似しにくいもの、それは店舗に根付いた「接客文化」です。 最新の設備や内装は資本力があれば模倣できますが、スタッフ一人ひとりが自発的にお客様を想って動く文化は、一朝一夕には作れません。 「人がブランドを作る」という意識が現場に浸透している店舗は、それ自体が強力な競合優位性となります。一人ひとりのスタッフが、ブランドの体現者としてCS向上に取り組む。その姿勢こそが、お客様に「ここに来てよかった」と思わせる唯一無二の価値を生み出すのです。

接客の現場でよくある「CS向上を阻む壁」

CS向上の重要性は、現場の店長やスタッフも十分に理解しています。しかし、「お客様のために」という真剣な想いがあるからこそ、私たちはつい『お客様の満足』というゴールばかりを注視してしまいがちです。

もし今、現場でCS向上の取り組みが空回りしているように感じられるなら、それは手法の問題ではないかもしれません。実は、高い成果を出し続けている店舗ほど、お客様を笑顔にするためのエネルギー源として、現場で働くスタッフ自身の充足感、つまり「ES(従業員満足)」を何よりも大切にしています。

スタッフが心から満たされていなければ、お客様に最高の体験を届けることは難しいものです。まずは、現場の皆さんが直面している「3つの壁」を紐解きながら、なぜ今ESに目を向ける必要があるのかを解説します。

人手不足と業務過多

現場を覆う最大の物理的な壁は、慢性的な人手不足と、それに伴う業務過多です。

スタッフが「お客様に喜んでもらいたい」という志を持っていても、次から次へと押し寄せるタスクをこなすだけで精一杯の状況では、サービスは必然的に「事務的」になります。お客様の表情を伺う余裕すらなく、マニュアルをこなすことがゴールの「作業」になってしまうのです。

この状態のスタッフに「もっとホスピタリティを持って」と要求することは、ガス欠の車にアクセルを踏ませるようなものです。まずは、付随業務の削減や効率化によって、スタッフがお客様と向き合うための「心のゆとり」を確保することが、CS向上の大前提となります。

ダメ出しばかりの指導

忙しい現場では、つい「できていないこと」に目が向きがちです。「挨拶の声が小さい」「清掃が甘い」といったダメ出しばかりの指導が続くと、スタッフは「怒られないために動く」という守りの姿勢に入ります。これでは、CSの本質である「期待を超えるプラスアルファの接客」は生まれません。

ここで求められるのが、マネジメント層の「リスキリング」です。店長やSVは、これまでの「監視・指導」という役割から、スタッフが働きやすくなるよう支援する「コーチ・ファシリテーター」へと接し方をアップデートする必要があります。スタッフの「強み」や「小さな変化」に光を当て、自己効力感を高める関わり方に変えることで、現場の空気は劇的に変わります。

【SPC理論に学ぶ】CS向上のためにESに取り組む重要性

ここまで、現場の負担やコミュニケーションの重要性についてお伝えしてきましたが、これらを一言でまとめると「ES(Employee Satisfaction=従業員満足)」という言葉に集約されます。

もしかすると、「お客様を満足させるのが先で、スタッフの満足はその次にくる」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この順序を逆に捉えることこそが、CS向上を成功させる最大のポイントなのです。

SPC理論とは?

「スタッフが満たされているからこそ、お客様に良いサービスを提供できる」。この一見意外な、けれど非常に強力な法則を論理的に解明したのが、ハーバード・ビジネス・スクールの教授らが提唱した「SPC(サービス・プロフィット・チェーン)理論」です。

SPC理論では、店舗の利益や成長は、以下のような「つながり(チェーン)」によって生み出されると説いています。

  • 従業員満足(ES)の向上: 働きやすい環境や適切な評価が整い、スタッフの心が満たされる。
  • 従業員の忠誠心の向上: スタッフがお店に愛着を持ち、「もっと貢献したい」と自発的に動くようになる。
  • サービス価値の向上:心に余裕があるからこそ、お客様の期待を超える質の高い接客が生まれる。
  • 顧客満足(CS)の向上:スタッフの熱意や気遣いがお客様に伝わり、喜びや感動が生まれる。
  • 顧客ロイヤリティの向上: お客様がお店のファンになり、何度も足を運んでくれるようになる。
  • 売上・利益の拡大: リピーターが増えることで、安定した収益と持続的な成長が実現する。

この理論が教えてくれるのは、CS(顧客満足)は、ES(従業員満足)という「種」をまき、大切に育てた先に咲く「花」であるということです。スタッフが「ここで働けてよかった」と笑顔でいられる環境、つまりESという土台がしっかりしていなければ、その上にCSという大きな花を咲かせることはできません。もし今、CS向上に行き詰まりを感じているのであれば、それは接客スキルの問題ではなく、土台となるESに目を向けるべきタイミングなのかもしれません。

現場の負担を減らし、スタッフが前向きに働ける環境を整えること。それこそが、一見遠回りに見えて、実はCSを劇的に高めるための最も確かな近道なのです。

ES(従業員満足度)とは? 店舗経営におけるESの重要性や、具体的な向上施策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:サービスプロフィットチェーン(SPC)とは?顧客満足度向上のために不可欠なことを解説

今日からできる!接客改善の具体的な5つのステップ

先ほどお伝えした通り、CS向上のカギは、スタッフが「このお店で働けてよかった」と満たされている状態(ES)にあります。スタッフの心が満たされていれば、本部が無理に号令をかけずとも、自然とホスピタリティ溢れる接客が生まれるものです。

では、その「スタッフが自然とお客様の方を向ける状態」を、具体的にどう作ればいいのでしょうか。今のリソースを最大限に活かしながら、現場を前向きに変えていくための5つのステップを紹介します。

・ステップ1:現状の課題を「見える化」する

改善の第一歩は、現場で何が起きているのかを客観的に把握することです。「なんとなく接客が良くない」という主観的な判断ではなく、データに基づいた「見える化」を行うことが重要です。

具体的には、お客様の声(VOC)の収集や、顧客満足度調査、NPS®(ネット・プロモーター・スコア)の取得が有効です。数値や具体的なコメントとして課題が可視化されることで、現場も「どこを直せば喜んでもらえるのか」というポイントを絞り込みやすくなります。

ポイントは、悪い点を探すためではなく、お客様が何に価値を感じているかという「店舗の強み」を見つけるために活用することです。現状を正しく知ることで、闇雲な努力を避け、最小限の力で最大の効果を得られるポイントが見えてきます。

・ステップ2:業務効率化で、お客様と向き合う時間をつくる

スタッフが「お客様の方を向きたい」と思っても、物理的な時間がなければそれは叶いません。まずは、日々のルーティン業務の中に無駄がないかを点検してみることから始めてみてください。

「二重入力になっている報告業務はないか?」

「探し物に時間を取られていないか?」

「電話対応が接客を遮っていないか?」

こうした「接客以外の時間」をITの力やオペレーションの見直しで少しずつ削っていくことで、物理的なゆとりが生まれます。その数分ずつの積み重ねが、お客様へのアイコンタクトや、一歩踏み込んだお声がけを生む原動力になります。

・ステップ3:良い接客を「称賛」し、現場のムードを明るくする

ES(従業員満足)を土台にしたCS向上において、最も即効性があるのが「承認と称賛」です。スタッフが「自分は認められている」と感じる環境は、最高の接客を生む最強の土台になります。ここでは「上下」と「左右」の2つの観点から、称賛を生み出すポイントを紹介します。

 ①「上下間」の信頼関係を築く

店長やSVの皆様から、スタッフの「当たり前の行動」に光を当て称賛することが重要です。「今日の笑顔、素敵だったね」「あのお客様への対応、素晴らしかったよ」という上司からの小さな承認、スタッフに「自分の頑張りを見てくれている人がいる」という安心感を与え、自己肯定感を高めます。この自己肯定感の向上が、お客様の満足度を高める接客へと繋がります。

②「左右間」の協力体制を整える

並行して、スタッフ同士(左右間)互いの良さを見つけ、褒め合い、助け合える文化を醸成しましょう。忙しい時間帯にフォローし合ったり、お互いの良い接客を真似したりする文化が根付くと、店舗全体のチーム力が向上します。こうした協力体制がある店舗では、一人ひとりの負担が軽減され、結果としてお客様に安定した高いレベルのサービスを提供できるようになります。

・ステップ4:成功事例を共有する仕組みづくり

店舗の中で生まれた「良い接客」を、個人のスキルのまま終わらせてしまうのはもったいないことです。素晴らしい対応や、お客様に喜ばれたエピソードは、店舗全体、企業全体のナレッジとして共有しましょう。

「こうお伝えしたら、お客様の表情がパッと明るくなった」といった成功体験を、終礼やデジタルツールを使ってクイックに共有します。 自分の工夫がチームの役に立ち、誰かに真似される体験は、スタッフにとって大きな自信と誇りになります。また、具体的な事例が共有されることで、他のスタッフも行動イメージを持つことができます。

個人の「頑張り」をチームの「仕組み」に変えていくことが、店舗全体のクオリティを底上げする鍵となります。

・ステップ5:ITツールでコミュニケーションコストを削減

これら4つのステップを継続し、習慣化させるために不可欠なのが、ITを活用したコミュニケーションコストの削減です。

紙のノートや口頭での伝達は、忙しい現場では「手間に感じる」「情報が漏れる」といったストレスの原因になりがちです。スマホで完結するコミュニケーションツールを導入すれば、称賛のメッセージも成功事例の共有も、隙間時間で楽しく行えるようになります。

ITツールを導入することは、単なるデジタル化ではありません。スタッフ間の心の距離を縮め、全員が同じ方向を向いてお客様に向き合える「自走する店舗」を作るための投資なのです。

【業種別】接客のCS向上・取り組み成功事例

5つのステップを実践し、現場の自走化を実現した事例を紹介します 。各ステップがどのように機能し、スタッフの意識や行動、そして最終的な顧客満足度(CS)をどう変えたのかを見ていきましょう。

【飲食店】 株式会社大戸屋

情報共有の統一が「クレームゼロ」と「主体性」を生む

かつて情報の共有手段がバラバラで、スタッフへの浸透に多くの時間を費やしていた株式会社大戸屋様 。社員とアルバイト間の情報格差がミスの原因となり、チームワークを阻害していたのです 。

・取り組み:情報の一元化と称賛のデジタル化 

ITツールを導入により情報共有手段を集約 。店主が「連絡ノート」機能で目標を小まめに発信し、調理マニュアルをスマホでいつでも確認できる環境を構築しました 。さらに「星を贈る」機能で、スタッフ同士が称賛や感謝を伝え合う文化を醸成しました 。

・変化と成果:クレームが止まり、スタッフが自ら動く組織へ 

ある都心の店舗では、店主が目標を繰り返し発信し、スタッフもローテーションで情報発信を続けた結果、毎月発生していたクレームが2ヶ月で減少 。全員が同じ情報を見られることで伝達ミスが減り、スタッフが自らお客様のために考えて動く「主体性」が引き出されました 。情報共有によって協力し合える関係性が作られたことが、CS向上の大きな鍵となりました 。

【事例】店舗改革の鍵となる「情報共有」と「教育サイクル向上」に貢献。スムーズな情報共有がチーム力を高め、お客様満足度が向上

【小売店】カインズ

成功事例をデジタルで共有し、接客の「誇り」を醸成

ホームセンター大手の株式会社カインズは、ステップ5のITツールの活用を、「スタッフの負担軽減」と「やりがいの創出」に繋げました。

・取り組み:DIY知識と成功事例のシステム化 

広大な売り場を少人数でカバーする必要があるため、接客時間の確保が課題でした 。そこで店舗専用アプリを通じて、ある店舗で成功した「お客様の困りごとを解決する提案」を動画や写真で全店に共有する仕組み(ステップ4)を構築しました 。

・変化と成果:専門性の向上と信頼ベースの集客 

自分の知識が誰かの役に立っているという実感がスタッフのES(従業員満足)を高め、接客の専門性が向上しました 。「カインズの店員さんは親身になってくれる」という評価が定着し、価格競争に頼らない信頼ベースの集客に成功しています 。

【事例】お客様のくらしを楽しく、従業員の仕事をラクに。成果が見える現場直結DXの醍醐味

【宿泊】リーガロイヤルホテル

縦横の関係性改善が伝統に「柔軟さ」を加えた

老舗のリーガロイヤルホテル(ロイヤルホテル小倉)内のレストラン「龍鳳」では、スタッフ同士の関係性改善によって、ESおよびCSを向上させることに成功しました。

・取り組み:感謝・承認で心理的安全性を高める 

マネージャーは、スタッフへの簡単なアンケート調査から職場の現状を把握(ステップ1)。その上で、スタッフ同士で感謝や称賛を伝え合う仕組みを構築しました(ステップ3:称賛)。当初は「やるべきことが増えて面倒だ」という戸惑いもありましたが、マネージャーが積極的にスタッフの働きぶりに目を向ける姿勢を示したことで、若いスタッフを中心に現場の空気が変わり始めました。

・変化と成果:ESの改善と「離職率」の低下 

スタッフ間で「ありがとう」が行き交うようになると、職場内のコミュニケーションが活性化し、職場の雰囲気が明るくなりました。その変化はお客様にも伝わり、「スタッフが楽しそうに働くようになったね」というお褒めの言葉をいただけるようになったのです。結果としてESが大幅に改善し、離職率も低下。マネージャーが「自分でやったほうが早い」という姿勢を捨て、スタッフを信頼して任せることで、現場が主体的に動く好循環が生まれました。


【導入事例】リーガロイヤルホテル様:「エンゲージメント」が見えるから、意識が変わる。行動するから、現場が変わる。]

CS向上の鍵は、スタッフの心の余裕

これら3つの事例に共通しているのは、接客スキルを磨く前に、まず「スタッフの心の余裕」という土台を整えたという点です。

どんなに素晴らしいマニュアルがあっても、スタッフの心が疲弊していては、お客様の細かな変化に気づくことはできません。逆に、スタッフが満たされ、心に「余白」がある状態になれば、教え込まれなくても自然とお客様に寄り添う、自発的な「おもてなし」が生まれていきます。

「スタッフが笑顔になれば、お客様も笑顔になる」――。この一見当たり前のように思える現象が、なぜビジネスにおいて強力な成果を生むのでしょうか。その仕組みを論理的に解明したのが、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した「組織の成功循環モデル」です。

成功循環モデルとは

成功循環モデルとは、組織が持続的に成果を上げ続けるための「グッドサイクル」を示したフレームワークです。このモデルは、以下の4つの質が循環することで成り立っています。

【画像】

  • 関係の質: スタッフ同士や上司・部下が互いを尊重し、助け合える状態。
  • 思考の質: 「関係の質」が良いことでスタッフに心の余裕が生まれ、「どうすればもっと喜んでもらえるか」と前向きに考えられる状態。
  • 行動の質: 良い思考に基づき、自発的な気遣いや、新しい工夫などの質の高いアクションが生まれる状態。
  • 結果の質: 顧客満足度(CS)が高まり、リピーターが増え、最終的に売上という結果に繋がる状態。

関係性改善が接客の質を「本物」にする

多くの現場では、目に見える「結果(CS)」を真っ先に求め、そのために「行動(接客スキル)」を矯正しようとしてしまいがちです。しかし、無理に行動を変えようとすると現場にプレッシャーがかかり、かえって「関係の質」が悪化するというバッドサイクルに陥ってしまいます。

事例のロイヤルホテル様や大戸屋様が証明したように、まずは「ありがとう」が飛び交う環境を作り、「関係の質」を向上させること。 それがスタッフの「思考の質(心の余裕)」を高め、最終的にCS向上という「結果」を導き出す、最も確かな近道なのです。

まとめ:無理な努力ではなく「仕組み」で接客を楽しくしよう

「CSを上げなければならない」というプレッシャーは、時に現場から余裕を奪い、笑顔を消してしまいます。しかし、本来接客は、お客様に喜んでいただくことでスタッフ自身も喜びを感じられる、非常にやりがいのある仕事です。

スタッフが笑顔で働ける環境を整えることこそが、最高のCS向上策です。本部やマネジメント層がすべきことは、現場に「もっと頑張れ」と精神論を説くことではなく、スタッフが「楽に」、そして「楽しく」働けるための「仕組み」を提供することです。

DXツールは、現場を「楽に」し、「楽しく」するための補助線

デジタルツールやDXは、単なる管理のための道具ではなく、現場を支えるための「パートナー」です。

  • 煩雑な事務作業や情報共有の無駄を省き、お客様と向き合う時間を創る(楽にする)
  • 良い接客や感謝を可視化し、称賛が飛び交うムードを創る(楽しくする)

この2つを同時に実現することで、組織の成功循環が回り始め、現場は自然と自走し始めます。スタッフの心のゆとりが、そのままお客様の満足へと直結する――。このシンプルな好循環を信じて、まずは今のリソースでできる「称賛」や「効率化」から、第一歩を踏み出してみませんか。

CSを向上させるITツールに興味を持った方におすすめ!

現場を「楽に」「楽しく」変える第一歩。25万人が活用するCS向上ツール「はたLuck」の活用方法をご覧ください。

この記事の監修
滝澤美帆学習院大学 経済学部 教授の写真
滝澤美帆

学習院大学 経済学部 教授

専門はマクロ経済学・生産性分析・データ分析。2008 年一橋大学博士(経済学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東洋大学、ハーバード大学国際問題研究所日米関係プログラム研究員などを経て、2019 年学習院大学准教授。2020 年より現職。現在、産業構造審議会、中小企業政策審議会など複数の中央省庁委員や東京大学エコノミックコンサルティング㈱のアドバイザー、企業の社外取締役を務める。
著書に『グラフィックマクロ経済学第3版(宮川努氏・外木暁幸氏との共著)』(新世社)などがある。

店舗DXコラム編集部

HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。

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