• シフト

夜勤シフト作成を助けるアプリ・システム10選|シフト作成の課題を解消するコツは

夜勤シフトの作成は、多くの企業や組織にとって頭を悩ませる問題の一つでしょう。従業員の健康管理、法令遵守、業務効率の維持など、考慮すべき要素が多岐にわたるからです。

本記事では、夜勤シフト作成の課題や注意点を詳しく解説するとともに、シフト作成を効率化するためのアプリやシステムを10個ご紹介します。

目次

夜勤シフト作成の課題

夜勤シフトの作成は、通常の日勤シフトとは異なる独特の課題があります。ここでは、夜勤シフト作成における主な課題をみていきましょう。

夜勤シフトには3つの種類がある

夜勤シフトには主に3つの種類があり、それぞれに特徴と課題があります。適切なシフト作成を作成するためには、これらの違いを理解することが大切です。

夜勤専属

夜勤専属とは、夜勤以外の時間帯を担当しない勤務時間が固定されている働き方のことです。夜勤専属の従業員は、基本的に夕方から早朝にかけての時間帯に勤務します。

従業員の生活リズムが安定しやすく、割増賃金が得られるというメリットがある一方で、昼夜逆転の生活となる点に注意が必要です。

また、場合によっては、ホテル業界のように21時から翌朝8時の範囲で勤務時間を設定しているケースも多く、1回の勤務で労働時間が16時間(最低2時間の休憩時間を含む)になる恐れがあります。

2交代制

2交代制とは、医療機関や工場、ホテルなど24時間体制で稼働している職場で代表的な夜勤シフトです。日勤と夜勤を12時間ずつ区切る、あるいは日勤8時間、夜勤16時間のように勤務時間に差をつけるシフトなどさまざまな種類があります。

従業員の休日が多くなり、プライベートを確保しやすい一方で、1勤務あたりの労働時間が8〜16時間と長くなりやすいのがデメリットです。体力に自信がある従業員でないと、少々負担に感じるかもしれません。

3交代制

3交代制とは、24時間を3つに区切って8時間ごとにローテーションしながら働く方法です。

たとえば、月曜日は早番、火曜日は中番、水曜日は遅番といった働き方があげられます。勤務時間が1回当たり約8時間に収まるため、従業員の業務負荷が少なく仕事に集中しやすくなるでしょう。一方で、シフトが3パターンもあるので、従業員が生活リズムを整えるのに苦労する点が懸念材料です。

シフト作成が複雑

夜勤シフトの作成は、通常の日勤シフトよりも複雑です。特に注意が必要なのは、夜勤明けの日の扱い方です。

夜勤明けの日の扱い方

夜勤明けで朝に退勤した従業員をそのまま休日扱いにしたいと考えるかもしれません。しかし、原則夜勤明けの日は休日扱いにはなりません。

法律上、休日は労働契約において労働義務のない日と定義されています。法定休日は通常、午前0時から午後12時までの24時間を指します。しかし、夜勤の場合、既にこの時間帯に労働しているため、原則として夜勤明けの日を休日扱いにすることはできないのです。

ただし、3交代制勤務の場合は例外があります。この勤務形態では、夜勤明けから連続した24時間を休日として扱うことが可能です。たとえば、朝6時まで夜勤をした場合、退勤時刻の6時から翌日の朝6時までが休日扱いとなります。

夜勤明けの場合は日勤シフトで勤務可能

法的な観点からいえば、夜勤明けに日勤のシフトを組むことは禁止されていません。

たとえば、火曜日の午後10時から水曜日の午前8時まで夜勤を行った従業員に、短時間の休憩後、同じ水曜日の午前11時から午後8時まで日勤させることは法律上可能です。この取り扱いが許容される主な理由は、夜勤と日勤が異なる勤務日にカウントされるためです。火曜日の夜勤と水曜日の日勤は、法律上別の勤務日として扱われます。

しかし、わずか数時間の休息時間を挟んだあとに再び働くことは、従業員に過度の身体的・精神的負担をかける恐れがある点に注意が必要です。

日勤明けの場合は夜勤シフトで勤務可能

法律上、日勤明けに夜勤シフトを入れても問題はありません。

ただし、日勤も夜勤も同じ日に働いているとみなされるので、労働時間が8時間を超えた分については割増賃金を支払わなければなりません。上のケースでは、日勤で8時間(休憩1時間)労働しているため、夜勤で働いた時間の給与は通常の1.25倍以上の賃金を支払う必要があります。

夜勤シフトは最長12日まで

夜勤シフトの連続日数には法的な上限はありませんが、法定休日の規定により実質的に最長12日間となります。

しかし、夜勤の身体的・精神的負担を考慮すると、12日連続の夜勤シフトは非現実的で危険だといえるでしょう。従業員の健康被害や安全配慮義務違反のリスク、さらには離職率の上昇につながる恐れがあります。

連続日数はなるべく期間を短くする、十分な休息期間を設けるなど、従業員の健康と安全を重視したシフト設計が重要です。

法令遵守したシフト作成が必要

夜勤シフトの作成には、労働基準法をはじめとする各種法令の遵守が求められます。労働時間の上限、休息時間の確保、深夜労働の割増賃金など、遵守すべき事項は多岐にわたります。これらの法令を正確に理解し、遵守したシフト作成を行うことを心掛けましょう。

従業員の健康を考慮したシフト作成が求められる

夜勤は従業員の健康に大きな影響を与える可能性があります。睡眠リズムの乱れや疲労の蓄積、メンタルヘルスの問題など、さまざまなリスクが存在するでしょう。

これらのリスクを最小限に抑えるため、適切な休息期間の設定、連続夜勤の制限、定期的な健康チェックなど、従業員の健康を最優先に考えたシフト作成が求められます。

人材確保や人員配置が難しい

夜勤シフトを組む上で、十分な人材の確保と適切な人員配置は大きな課題です。特に、資格や専門性が必要な職種では、夜間帯に必要な人員を確保することが困難なこともあるでしょう。

また、突然の欠勤や急な業務増加に対応するための余裕を持った人員配置を心掛ける必要があり、シフト作成をより複雑にします。

適切な夜勤シフト作成を行うためのポイント

夜勤シフトを手作業で作成しようとすると、負担が大きくなります。ここからは、夜勤シフトの作成を効率化する方法を見ていきましょう。

正しい手順で作成する

適切な夜勤シフトにするためには、正しい手順で作成を行う必要があります。まず、従業員をいくつかのチームに分け、チームごとにローテーションを組んでいきます。その際、営業日ごとどのローテーションが適しているのかを見極めたうえで、作成していくのがポイントです。

従業員のマルチタスク化をすすめる

複数の業務を任せられる従業員が増えれば、夜勤のシフトが組みやすくなります。一日の中でも人手が足りない時間帯が発生することがあります。

このような状況では、他の業務に従事しているスタッフがヘルプに入ると効果的です。この方法を採用すれば、より少ない人数で業務を回すことが可能となり、結果的に人件費の削減にもつながります。

さらに、従業員のマルチタスク化を進めることも重要です。マルチタスク化により、従業員同士がフォローし合えるようになります。これは従業員の満足度向上につながるでしょう。

夜勤対応のタイムレコーダーを使用する   

タイムレコーダーを選ぶ際は、夜勤対応のものを検討することをおすすめします。その理由として、夜勤非対応のタイムレコーダーの場合、夜勤で日付をまたぐと翌日の勤務に切り変わってしまうので使い勝手があまりよくないためです。

夜勤対応のものでタイムレコーダーを使用すれば、労働時間の管理がしやすく割増賃金の計算業務もスムーズです。

夜勤シフト作成できるアプリやシステムを導入する

夜勤シフト作成に特化したアプリやシステムであれば、2交代制や3交代制など複雑なシフトの作成にも対応しています。完成したシフトはアプリから共有できるほか、自動作成機能があるシステムであれば、公平性を担保したシフト作りが可能です。

また、複数の店舗を持っている会社では、システムやアプリから簡単に他店舗へのヘルプ募集も行えます。

夜勤シフトを作成する際の注意点

夜勤シフトを作成する際は、以下の6つの点に注意が必要です。

日勤と夜勤のバランスを考える   

シフトを作成する際、日勤と夜勤のバランスを考慮することが欠かせません。夜勤だけ続くシフトや夜勤後に日勤を行うシフトが多い場合は、十分に休息が取れないため避けたほうがよいでしょう。必ず健康面を考慮したシフト作りを心がけることが大切です。

適切な人員を配置する 

従業員に大きな負担をかけないためにも、スキルや経験のバランスが取れた人員配置をする必要があります。一方で、余剰人員が発生してしまうと、支払う人件費が高騰してしまうため注意が必要です。

基本的にどの時間帯であっても、最低一人は経験豊富な人や責任者がいるようなシフトを組むことを心がけましょう。

所定労働時間を超えていないかどうか確認する      

連続勤務時には所定労働時間を超過するリスクがあるため、Excelを使用するなどして、労働時間合計を自動計算する関数を設定すると便利です。

労働時間を視覚化し、超過時に警告を出すシフト作成ツールを活用すれば、従業員の健康に配慮したシフト管理が容易になります。

従業員とのコミュニケーションをとる         

効果的な夜勤シフトの作成には、従業員とのコミュニケーションを疎かにしないことが大切です。個々の従業員の希望や事情を把握し、可能な限りそれらを反映させることで、従業員の満足度はもちろん、業務に対するモチベーションを高めることができます。

定期的な面談や意見交換の機会を設け、シフトに関する課題や改善点を積極的に聞き取るようにしましょう。

従業員の休日確保に努める      

従業員の適切な休息を確保する夜勤シフト作成が重要です。法定の週1日休日を守るだけでなく、長期連続勤務や夜勤明けの日勤を最小限に抑えるよう配慮しましょう。

十分な休息は従業員の集中力と業務品質を維持し、顧客満足度の向上にもつながります。従業員が休暇を取りやすく、過度な負担がかからないシフト作成を心がけることで、従業員の健康維持と業務効率の向上の両立が可能となるでしょう。

従業員の健康管理をサポートする

夜勤による健康への影響を最小限に抑えるため、企業側からの積極的なサポートが重要です。

定期的な健康診断の実施、睡眠や栄養に関する健康教育の提供、メンタルヘルスケアの体制整備など、総合的な健康管理プログラムを導入することで、従業員が安心して長く働けるような職場作りを心掛けましょう。

夜勤シフトの作成を助けるアプリ・システム

夜勤シフトの作成を効率化し、最適化するためのアプリやシステムが数多く開発されています。ここでは、特に有用な10個のツールをご紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に最適なものを選択することで、シフト作成の悩みを大幅に解消できるでしょう。

はたLuck     

「はたLuck」は、チェーン店や多店舗展開している企業に特に適しているシフト管理システムです。シフト希望の提出から調整、確定までをアプリ内で完結できるほか、ヘルプの募集・応募が容易に行えます。シフト管理ツールを初めて導入する場合でも、サポート体制が充実しているため安心して利用ができるでしょう。

シフト表 Lite  

シフト表Liteは、自動的にシフトを作成してくれるスマホアプリです。スタッフごとにスキルや勤務可能な日数・曜日などのシフトパターンを登録しておくと、ボタンひとつでシフトが自動的に作成されます。

アプリ独自のアルゴリズムが組まれており、出勤回数などを平等にしたうえで、公平なシフトになるよう作られます。スマホひとつでシフト表の作成ができ、初めて利用する人でも簡単に利用可能なアプリです。

らくしふ     

らくしふは、チャットツールを活用したシフト管理システムです。チャットツール上でシフト回収ができるほか、シフト提出依頼の連絡や未提出者への催促などを自動で行えます。

さらに、人数や人件費を設定することで、適正なシフトを作成することが可能です。人件費を削減しやすいモデルシフト機能もあります。

Shiftmation    

Shiftmationは、人工知能でシフト表を自動作成できるシステムです。シフトの自動作成後には過不足をグラフや数字で表示されるので、簡単に修正できます。また、月間勤務シフトの自動作成結果をもとに休憩や当番業務などのタスクも自動で割り当てられます。

プランは3種類あり、スタンダードプランやプレミアムプランを選ぶと、スタッフへのメール配信や外部カレンダーとの連携も利用可能です。さらにチャットサポートもあるので困った時はすぐに問い合わせることができます。

シフトボード   

シフトボードは、アルバイトやパートの方が自身のシフト管理・給料計算を行えるスマートフォンアプリです。シンプルな機能と使いやすいアプリ設計が特徴で、カレンダーにシフトの予定を入れれば自動で簡単に給料の計算が行えます。

R-Shift        

R-Shift(アールシフト)は、小売業・サービス業に向いているシフト管理システムです。R-Shiftでは、さまざまな条件に合わせたシフトをAIで自動作成できます。スタッフのスキルや経験年数を踏まえた作業割り当てとなるので、生産性の向上も期待できます。

他店舗の不足人員や余剰人員を確認でき、店舗間でのヘルプ調整もしやすくなっています。

Optamo

Optamoは、最適化したアルゴリズムを用いて、AIがシフトを自動作成するクラウドサービスです。複数の条件に合うような従業員の組み合わせを、AIが提案してくれます。

登録できる内容は、スキルやポジションだけでなく、休暇の希望日や勤務条件など、さまざまです。ヘルプ機能による人材配置やスキルにもとづいたシフトの最適化ができ、多くの業界に対応できるAIシフト作成ツールといえます。

シフオプ       

シフオプは、株式会社リクルートが運営するシフト管理システムです。モデルシフト表示や労務アラート機能、人件費管理機能などがあります。

人数の過不足を現場ごとにリアルタイムで把握できるほか、自店舗や多店舗からヘルプを募集できる点が特徴です。さらに、簡単な操作により、システム上でスタッフとやり取りすることが可能です。

SHIFTEE      

SHIFTEEは、株式会社システムサポートが提供しているクラウド型のシフト管理システムです。シフト希望の収集やシフト作成、労働警告機能、人件費計算機能などがあります。

さらに、LINE@や勤怠管理システムと連携できたり、AIによるシフト自動作成が行えたりする点も特徴です。

Airシフト

Airシフトは、株式会社リクルートによって提供されているシフト管理システムです。主に小売業や飲食店といったサービス業で活用されています。

スタッフ専用アプリ「シフトボード」と連携すると、スタッフが提出したシフト希望をツールに反映でき、転記の手間を省けます。シフトの作成・共有といった機能のほか、単発バイトの募集を行える機能もあります。

夜勤シフトの作成なら「はたLuck」

「はたLuck」では、売上や客数などにあわせたシフト調整や、適正シフトに基づいたシフト作成が可能です。

シフトの回収・調整・共有まではアプリ内で完結      

「はたLuck」では、従業員へのシフト提出の依頼から収集まで、アプリ上で行えます。

収集後の希望シフトのデータは自動的にアプリへ取り込まれるため、手で入力を行う必要はありません。そのままツール上でシフトを作成し、従業員へ共有できます。

複雑な夜勤シフトを効率的に作成できる

「はたLuck」の「夜勤対応」機能を使うと、複雑な夜勤シフトを効率的に作ることが可能です。

従業員が夜勤明けになる場合は、申請期間画面や日別画面に「夜勤明け」と表示されるほか、夜勤明けの日にシフト登録される場合も「夜勤明け」が赤字で表示されます。また、「夜勤明け」と同日のシフト登録を禁止する設定も可能です。

こうした設定により、確認の手間やミスが軽減され、夜勤シフト作成にかかる時間を短縮できます。

適正シフトに基づいたシフト作成ができる   

「はたLuck」には「適正シフト機能」があります。店舗別や曜日別に必要な人数を登録しておくことで、適切に人員を配置できる機能です。

ツールに表示される適正シフトにあわせて従業員を配置することで、シフト作成にかかる労力や時間を減らすことができます。人件費の最適化にもつながるため、効率化とコスト削減の両方が実現可能です。

最適な人員配置をサポート       

「はたLuck」にある予算連動マスターを活用すれば、売上や客数に応じた必要な人員のみを配置できるようになります。

人員の不足が把握できるだけでなく、余剰に人員を配置して採用コストが高くなるリスクも減らせるでしょう。

勤務条件にあわせた労務アラートを表示   

「はたLuck」には「労務アラート機能」があるので、休日や所定労働時間といった労働基準法に違反するシフトを組んだ際に、警告をしてくれます。

また、外国人留学生や社会保険未加入者など向けに個別にアラートを設定して、管理できます。シフト作成業務の負担を軽減しながら、従業員の働き過ぎを防止することが可能です。

ヘルプ募集もアプリ上でできる

「はたLuck」には「ヘルプ募集機能」があり、アプリ上でヘルプの募集や応募が行えます。勤務日数を増やしたい従業員と、人員を募集したい店舗側をマッチングする機能です。

これにより、従業員の急な欠勤などにも対応しやすくなります。さらに特定の店舗のみにヘルプスタッフの募集をかけることもできます。

初めてヘルプに入る従業員が戸惑わないよう、アプリ上で事前に情報を共有できる点も便利です。

夜勤シフトの作成にはアプリやシステムを活用しよう

夜勤シフトの作成は、多くの企業や組織にとって大きな課題ですが、適切なアプリやシステムを活用することで、その負担を大幅に軽減できます。本記事で紹介したツールは、それぞれに特徴があり、業種や規模、ニーズに応じて最適なものを選択するようにしましょう。

また、ツールの導入だけで終わらせるのでなく、従業員の健康管理や業務効率の向上など、総合的な視点からの夜勤管理が重要です。アプリやシステムは、あくまでも効果的な夜勤シフト管理を支援するツールであり、最終的な判断や調整は私たち人間が行う必要があります。

今回記事でお伝えしたことを踏まえた上で、効率的で従業員に優しい夜勤シフト管理を実現しましょう。そうすることで従業員の満足度向上と業務効率の改善、そして組織全体の生産性向上につながるはずです。

はたLuck シフト管理機能概要資料

シンプルで使いやすいUIで、シフト申請・調整・確定・確認の全ての業務が管理可能です。他にも売上予測に基づいた適正シフトや近隣店舗と人材シェアが可能なヘルプ募集機能など豊富な機能をご用意しています。

店舗DXコラム編集部

HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。

関連記事

シフト管理・エンゲージメント向上・
情報共有などの機能が利用できるDXアプリ「はたLuck」

サービスについてもっと詳しく知りたい方
お見積りはこちら