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夜勤シフトを効率よく作成するには?作成方法や注意点も解説

夜勤シフトは、日勤のみのシフトよりもシフト作成方法が複雑になります。そのため、夜勤のシフトを効率的に作成するための方法を知りたい人もいるのではないでしょうか。

この記事では、夜勤シフトを効率よく作成する方法、シフトを組む際のルールなどについて解説します。夜勤シフトを効率良く作成したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

夜勤のシフトには3つの種類がある

夜勤のシフトには、夜勤専属、2交代制、3交代制の3種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

夜勤専属

夜勤専属とは、夜勤以外の時間帯を担当しない勤務時間が固定されている働き方のことです。つまり、夜勤専属の従業員が日勤や早番で働くことはありません。一例を挙げると、夜の8時〜翌朝の5時まで働くようなシフトです。

夜勤専属のメリット・デメリット

夜勤専属のメリットは、従業員の生活リズムを整えやすい点です。基本的に夕方から早朝のいずれかの時間が勤務時間となるため、他の時間帯も働かなければならない2交代制や3交代制よりも生活リズムが崩れにくいでしょう。朝から昼に就寝することにストレスを感じない従業員にとっては、問題ない働き方といえます。

ただし、夜10時〜朝5時の勤務時間には通常の賃金の1.25倍の割増賃金が発生するため、日勤よりも給与が高くなります。また、基本的に同じ時間に働くため、シフトを組む管理者の負担も大きくありません。

一方で、昼夜逆転の生活となるため、従業員が家族と過ごす時間は確実に減ります。日中働いている友人と都合を合わせるのも簡単ではありません。また、ホテル業界のように、21時〜翌朝8時の範囲で勤務時間を設定している業界も少なくなく、業種によっては1回の勤務で労働時間が16時間(最低2時間の休憩時間を含む)になるケースもあるので注意が必要です。

2交代制

2交代制とは、医療機関や工場、ホテルなど24時間体制で稼働している職場で代表的な夜勤シフトです。日勤と夜勤を12時間ずつ区切る、あるいは日勤8時間、夜勤16時間のように勤務時間に差をつけるシフトなどさまざまな種類があります。例えば、日勤を8時〜17時、夜勤を20時〜翌朝5時としているようなケースです。

2交代制のメリット・デメリット

2交代制のメリットは、従業員の休日が多くなることです。その理由は、従業員の健康面に配慮して、夜勤明けの当日と翌日を休みにする企業が多いからです。次の出勤日までの時間が長くなるため、プライベートな時間を取りやすい働き方といえるでしょう。

また、夜勤は深夜労働手当に加えて、日勤の人と交代するまでの時間的な空白を残業で調整するため、残業代も支払われます。よって、1勤務あたりの給与は高くなります。

管理者にとっても、日勤か夜勤のいずれかを選択すれば良いので、シフトを組みやすくなります。

一方でデメリットは、1勤務当たりの労働時間が8時間〜16時間と長くなりやすいことです。例えば12時間勤務の場合、一般的に休憩1時間、休息30分、時間外労働が2時間30分といった働き方になるので、体力に自信がある従業員でないと働きにくいでしょう。

3交代制

3交代制とは、24時間を3つに区切って8時間ごとにローテーションしながら働く方法です。例えば、月曜日は早番、火曜日は中番、水曜日は遅番といった働き方です。

例えば、ホテル業界では2交代制が一般的ですが、従業員の数・客室が多いホテルでは、早番=7時~16時、遅番=13時~22時、ナイト=22時〜翌朝9時の3交代制を導入している会社もあります。

3交代制のメリット・デメリット

3交代制の場合、勤務時間が1回当たり約8時間に収まるため、従業員の業務負荷が少なく仕事に集中しやすくなります。

一方で、シフトが3パターンもあるので、従業員が生活リズムを整えるのに苦労するでしょう。また、夜勤明けはそのまま休日になるケースが多いため、他の種類よりも休日は少なくなる点も要注意です。

夜勤シフトを組む際の注意点

夜勤は従業員の業務負荷が高くなるので、いくつか適用される法律があります。夜勤シフトを組む際に押さえておくべき注意点について見ていきましょう。

夜勤明けの日は休日扱いにならない

夜勤明けで朝に退勤した従業員をそのまま休日扱いにしたいと考える人もいるでしょう。しかし、原則夜勤明けの日は休日扱いにはなりません。

なぜなら、法律上、休日とは労働契約において労働義務がない日とされているからです。

法定休日は、午前0時〜午後12時までを指しますが、夜勤をした時点で既に働いています。例えば、火曜日の午後11時から水曜日の朝6時まで働いて、次の出勤日が木曜日の9時の場合でも、休日にはなりません。

ただし、3交代制勤務の場合は、例外的に夜勤明けから連続した24時間を休日として扱うことができます。よって、朝6時まで働いた場合は、退勤時間から翌日の朝6時までが休日扱いになります。

夜勤明けの場合は日勤シフトで勤務できる

法律上、夜勤明けに日勤のシフトを入れても問題ありません。よって、火曜日の午後10時から水曜日の午前8時に働いてもらった従業員に休憩を挟んで午前11時〜午後8時まで働かせることも可能です。

夜勤明けに日勤が可能な理由は、夜勤が火曜日、日勤が水曜日というように勤務日が分かれているためです。とはいえ、従業員の立場で考えると、たった数時間の休息時間だけですぐに働くと負担が大きくなります。従業員の健康面を考えると、推奨するシフトの組み方とは言えないでしょう。

日勤明けの場合は夜勤シフトで勤務できる

法律上、日勤明けに夜勤シフトを入れても問題はありません。したがって、以下のようなシフトを組むことも可能です。

日勤月曜日の午前9時〜午後6時
夜勤午後9時〜火曜日の午前6時

ただし、日勤も夜勤も同じ日に働いているとみなされるので、労働時間が8時間を超えた分については割増賃金を支払わなければなりません。上のケースでは、日勤で8時間(休憩1時間)労働しているため、夜勤で働いた時間の給与は通常の1.25倍以上の賃金を支払う必要があります。

夜勤シフトは最長12日まで

夜勤シフトは、連続でも最長12日までしか設定できません。

法律では夜勤シフトの上限が設けられているわけではないですが、法定休日については週に1日もしくは4週間に4日以上与える必要があります。よって、1週目の日曜日を休みにした場合は翌週の金曜日まで12日連続で夜勤のシフトを入れることが可能です。

しかし、日勤よりも負担が大きい夜勤を12日連続で入れるのは現実的ではありません。

従業員が体調を崩した場合、安全配慮義務違反として罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。そのような働き方を強いてしまうと、離職率の増加につながりかねません。

夜勤シフトを作成する手順

深夜も稼働しているコンビニやホテルのシフトは、日勤しかない会社よりもシフトの作成が複雑になります。ここからは、夜勤シフトを作成する手順を紹介します。

全スタッフを複数チームに分ける

最初に全スタッフを複数のチームに分けましょう。

2交代制の場合は日勤のみ、夜勤のみ、どちらも可能など従業員の希望によってチームを分ける方法や全てのチームを均一の人数で分ける方法があります。

3交代制の場合は、早番、どの時間帯でも可能、遅番といったように分けましょう。

チームごとのローテーションを組む

次にチームごとのローテーションを組みます。

例えば、2交代制で3つのチームに10人ずつ分けた場合は、以下のようにローテーションを組みましょう。

チームa番b番c番
チームA夜勤日勤休み
チームB日勤休み夜勤
チームC休み夜勤日勤

3交代制の場合は、以下のようにローテーションを組みます。

勤務曜日早番中番遅番
月・水・金AさんBさんEさんFさんGさんHさんMさんNさん
火・木・土CさんDさんIさんJさんKさんLさんOさんPさん

なお、シフトを組む際は、一部のチームのみ勤務時間が長すぎたり土日休みが多くなったりするなど偏ったシフトを作ってはなりません。

営業日ごとにどのローテーションを採用するかを決める

最後に営業日ごとにどのローテーションを採用するかを決めます。

2交代制の場合を例に紹介すると、以下のように、日勤、夜勤、休日を繰り返す形でローテーションを決めましょう。

1週目
チームA:日勤夜勤休日日勤夜勤休日
チームB:夜勤休日日勤夜勤休日日勤
チームC:休日日勤夜勤休日日勤夜勤
2週目
チームA:日勤夜勤休日日勤夜勤休日
チームB:夜勤休日日勤夜勤休日日勤
チームC:休日日勤夜勤休日日勤夜勤

夜勤シフトを作成する際の注意点

ここでは実際に夜勤シフトを作成する際の注意点を解説します。夜勤シフトを初めて作成する場合は、ぜひ参考にしてください。

日勤と夜勤のバランスを考慮する

シフトを作成する際は、日勤と夜勤のバランスを考慮しましょう。

例えば、週4日働く場合に、夜勤だけ4日続くシフトでは、疲労が蓄積されやすくなります。夜勤後に日勤を行うシフトが多い場合も充分に休息が取れません。

また、ある特定の人だけが夜勤に多く入るようなシフト作りも、健康面を損なうリスクが高くなるので推奨できないシフトの組み方です。本人が夜勤を希望している場合でも、ときどき日勤を入れたり休日を増やたりなどして、健康面も考慮したシフトを作りましょう。

適切な人員を配置する

シフトを組む際には適切に人員を配置する必要があります。人員が不足していると、一人ひとりの従業員にかかる負担が大きくなります。逆に余剰人員が発生すると、支払う人件費が高騰することになるため要注意です。

さらに従業員のスキルや経験のバランスも考慮してシフトを組む必要があります。例えば、新人だけがシフトに入る時間を作ってしまうと、トラブルに対処できない可能性がありますし、不安を与えるかもしれません。特にホテル業界の夜勤業務では、お客さまからの内線の対応や設備の不具合、急な体調不良への対応などをしなければならないケースもあります。

どの時間帯であっても、最低一人は経験豊富な人や責任者がいるようなシフトを組むことを心がけましょう。

従業員の健康状態に気を配る

夜勤業務は、日勤よりも疲れやすいため、従業員の健康状態に配慮したシフトを作りましょう。

特に2交代制や3交代制で働く従業員は、毎日寝る時間が不規則になるので、睡眠障害に陥る危険性があります。従業員の負担を大きくしないために、夜勤の連続や長時間労働は避けるようにシフトを組みましょう。

また、体調を崩しがちな従業員がいる場合は、夜勤の回数を減らしたり、日勤での働き方を提案したりすることも重要です。

従業員の休日確保

従業員が休日を確保できるような夜勤シフトを作りましょう。1週間で1日の休日という法律を遵守していても、1週間を超えて連勤で働かせたり、夜勤明けに日勤で働いたりすることが増えないよう配慮が必要です。

休日を確保できなければ、労働の疲れが取れないため、集中して仕事に取り組むことができません。その結果、満足のいくサービスを顧客に提供できなくなり、お客様満足度が低下する原因にもなります。

ちなみに、ある調査によると、特にホテル業界は他の業界と比較すると、有給休暇の取得率が10%以上低いという結果があります。有給休暇も取りやすく、従業員に無理をさせるようなシフトの作成はしないようにしましょう。

連続勤務で所定労働時間を超えないよう注意する

連続勤務をしている従業員の場合、労働時間が所定労働時間を超えることがあります。シフトを組んでいるときには気づきにくいため、Excelの場合は所定労働時間の合計がわかるように関数を組みましょう。

また、従業員の労働時間を一目で把握できたり、労働時間を超えたりすると警告を表示するシフト作成ツールを利用すれば、従業員の健康に配慮したシフトを作りやすくなります。

夜勤シフト作成を効率化する方法

夜勤シフトを手作業で作成しようとすると、負担が大きくなります。ここからは、夜勤シフトの作成を効率化する方法を見ていきましょう。

夜勤対応のタイムレコーダーを使用する

タイムレコーダーは夜勤対応のものを使用しましょう。夜勤非対応のタイムレコーダーの場合、夜勤で日付をまたぐと翌日の勤務に切り変わるので不便です。

夜勤対応のタイムレコーダーであれば、労働時間の管理がしやすく割増賃金の計算業務もスムーズです。

従業員のマルチタスク化をすすめる

複数の業務を任せられる従業員が増えれば、夜勤のシフトが組みやすくなります。

例えば、ホテルの場合、チェックアウトのピークを迎えた際にフロント業務の従業員だけでは人手が足りなくなることがあります。他の業務スタッフもチェックアウト業務ができるようになれば、少ない人数で営業を回せるようになるので人件費を削減しやすくなるでしょう。

また、多くの業務を理解することで、従業員同士がフォローしあえるようになるため、従業員満足度が向上します。

実際に、陣屋グループの元湯陣屋では夜勤のスタッフが朝食準備もできるようにしたところ、朝食スタッフの出勤時間を遅くできるようになりました。負担の多い中抜け勤務も廃止したことで、拘束時間の短縮にも成功しています。

このように従業員のマルチタスク化は、従業員満足度の向上や定着率の改善につながることもあるのです。

勤怠管理システムを導入する

シフト作成と同時に勤怠管理システムの導入も検討しましょう。勤怠管理システムを導入すれば、従業員の出退勤の管理がしやすくなるだけでなく、勤怠記録から自動で給与を計算したり、日勤および夜勤を自動で判断したりすることも可能です。業務負担の軽減や労働時間・割増賃金の計算ミスも防止できるでしょう。

また、多くの勤怠管理システムでは、25%以上の割増賃金、夜勤明けの当日は休日を設定できないといった法律にも対処できる機能を実装しています。

シフト作成に特化したシステムやアプリを活用する

シフト作成に特化したシステムやアプリなら2交代制や3交代制など複雑なシフトの作成にも対応しています。

シフト表の作成だけでなく、以下のような機能により工数の大幅削減が可能です。

  • 従業員の希望シフトを収集する必要がなくなる
  • 完成したシフトをパソコンやスマホで共有できる
  • シフトの更新や欠員募集なども手作業よりも簡単にできる

特に自動作成機能があるシステムなら、公平性を担保したシフトを作成しやすくなります。

また、複数の店舗を持っている会社では、他店舗へのヘルプ募集もシステムやアプリから簡単にできます。

夜勤シフトを作成するなら「はたLuck」がおすすめ

夜勤シフトを作成するならはたLuckの導入を検討してはいかがでしょうか。はたLuckをおすすめする理由を解説します。

はたLuck シフト管理機能概要資料

シンプルで使いやすいUIで、シフト申請・調整・確定・確認の全ての業務が管理可能です。他にも売上予測に基づいた適正シフトや近隣店舗と人材シェアが可能なヘルプ募集機能など豊富な機能をご用意しています。

最適な人員配置をサポート

はたLuckにある予算連動マスターを活用すれば、売上や客数に応じた必要な人員のみを配置できるようになります。

人員の不足が把握できるだけでなく、余剰に人員を配置して採用コストが高くなるリスクも減らせるでしょう。

定期シフト機能で入力を効率化できる

はたLuckの定期シフト機能では、働く曜日や休日がいつも固定されている従業員のシフトを登録して入力を効率化できます。

毎月のシフト作成時には、働く日や休日が固定されていない従業員のシフトのみを調整していけばよいので、負担を減らせるでしょう。

勤務条件にあわせた労務アラートを表示する

はたLuckには労務アラート機能があるので、休日や所定労働時間といった労働基準法に違反するシフトを組んだ際に、警告をしてくれます。

また、外国人留学生や社会保険未加入者など向けに個別にアラートを設定して、管理できます。シフト作成業務の負担を軽減しながら、従業員の働き過ぎを防止することが可能です。

シフト管理ツールを導入して夜勤シフト作成を効率化しよう

夜勤は、夜勤専属、2交代制、3交代制の3種類があり、日勤のみのシフトに比べるとシフトを組むのが複雑です。

また、従業員の健康やライフスタイルもふまえてシフトを組まないと、従業員の健康が損なわれたり、場合によっては離職につながってしまう可能性もあります。

さらに、夜勤シフトならではのルールについても正確に把握できていなければ、法令違反で罰則を受ける可能性もあるので注意が必要です。

夜勤のシフト作成の手間を減らしたい場合は、はたLuckの導入をおすすめします。はたLuckなら売上や客数にあったシフトを作れるようになるので、過不足が発生しにくくなります。法令違反になるようなシフトを作成すると、アラームのよる警告も行うので、従業員の働きすぎも防止可能です。

夜勤シフトを効率的に作成したい場合は、ぜひ、利用を検討してみてください。

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店舗DXコラム編集部

HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。

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