ホテル・旅館のDXを進めるには?宿泊業界でのデジタル化の意義

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公開日:2022.01.25
最終更新日:2022.02.28

DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の見直しは、これからの企業運営にとって必須だといえます。特に、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けているホテル・旅館といった宿泊業界においては、DXによる業務改革が効果的です。

ここでは、宿泊業界の現状と、現状の課題を解決するためにDXが役立つ理由のほか、実際のDX事例についてご紹介します。

宿泊施設の現状

国土交通省が行った調査によると、2021年4月の宿泊予約について、2019年度同月比で70%以上減少と答えた施設は57%となっています。また、2021年2月末までに94%の施設が資金繰り支援、89%の施設が雇用調整助成金を利用しており、今後も厳しい状況が続く見込みです。

ただし、具体的な状況と今後の見通しは、アーバン(都市型のビジネスホテル)とリゾート(旅館を含む観光地の宿泊施設)で異なります。

アーバンの現状

ビジネス利用が主なアーバンでは、厳しい状況が続いています。ウェブ会議などが当たり前になり、出張の必要が少なくなったことから、コロナ禍が終わった後の復調も見込みにくい状況です。

ビジネス利用ではなく、旅行で利用されるケースもありますが、そもそも部屋の造りや金額設定がビジネス向きであることから、今後、誰に向けてどのようなサービスを提供していくのかを、あらためて検討していく必要があるでしょう。

現段階では、リモートワーク用の部屋の提供といった施策がとられていますが、それほど大きな需要は得られていません。一方、宿泊ではなくレストランの利用客を増やすことに主眼を置くホテルも増えています。

ホテルならではの高いサービスや非日常感の演出を強みに、記念日の食事や季節に応じたランチコースなどを提供することで、リピーターにつながる顧客の獲得を目指しています。

リゾートの現状

厳しい状況にあるアーバンに比べ、リゾートは比較的堅調に売上を伸ばしています。2020年の国内旅行延べ人数は前年比48.4%減(観光庁調べ)と大きな影響を受けているものの、その後は回復傾向にあるといえるでしょう。特に、離島のリゾートホテルなど、混雑しづらく自然の中で過ごせる立地のリゾートホテルは、一定の需要を維持しているようです。 コロナ収束後の旅行動向についても、2021年1月の調査で「これまで以上に旅行に行きたい」が22.0%、「これまでと同程度、旅行に行きたい」が47.4%と、全体の7割近くはこれまでと同等もしくはそれ以上旅行をしたいと望んでいる結果が出ています(観光庁調べ)。このことからも、十分回復を見込める状況にあると考えられます。

宿泊施設全体が抱える課題

アーバン、リゾートそれぞれに共通する宿泊施設の課題として、人手不足が挙げられます。

コロナ禍においては、限られた人数だけで業務を回すといった対策をとる宿泊施設が多くありました。しかし、このような施設が復調傾向となりスタッフの人数を増やそうとしても、新規採用できないケースが出ています。

「宿泊業界はもう回復しないだろう」という判断から別の業界に移った人も多く、求人募集をしても人が集まらずに派遣社員で急場をしのぐ施設もあります。 今後の宿泊業界では、スタッフの獲得や育成、離職防止といった人材にフォーカスした対策と、集客のための対策の2点を重点的に行っていく必要があるでしょう。

宿泊施設がDXに取り組むことで得られるメリット

DXとは、デジタル化を推進することで業務改革を行い、自社の利益につなげていくことです。単純にアナログで行っていた業務をデジタル化するだけでなく、それによって現在抱えている課題を解決したり、目的を達成したりすることをDXと呼びます。

DXに取り組む際には、デジタル化自体が目的になってしまわないよう注意しましょう。あくまでも、目的達成のための手法であるということを意識して進める必要があります。

続いては、宿泊施設がDXに取り組むことで得られる主なメリットと具体例を、4つご紹介します。

サービス品質の向上

これまで、アナログで管理していた顧客情報やマニュアルなどをデジタル化することで、より細やかなサービスを一定のクオリティで提供できるようになります。

サービス品質の向上によって利用者に高い満足感を与えることができれば、リピーターや紹介客を得やすくなるでしょう。

<DXによるサービス品質の向上の具体例>

・過去の利用履歴にもとづくサービスの提供(レストランにおける味の好みなどの把握)

・スタッフ向けマニュアル動画などの整備によるサービス品質の均一化

・人感センサーを活用したチェックイン・チェックアウト時のスピーディーな案内

スタッフが働きやすい職場環境づくり

宿泊業界では、人材の確保が喫緊の課題となっています。DXによってスタッフが働きやすい職場環境を作れれば、早期離職の防止やエンゲージメントの向上につながります。

<DXによるスタッフが働きやすい職場環境づくりの具体例>

・閲覧しやすいオンラインマニュアルの整備によって業務への不安感を解消する

・気軽なコミュニケーションツールを用意することでスタッフ間の仲間意識を高める ・シフト管理ツールによる人員の最適配置で無理な働き方を防ぐ

業務効率化

これまで、人力で行っていた仕事をデジタル化することは、業務の効率化にもつながります。

まとまった時間と労力をかけて行っていた業務の一部、または全部をデジタル化することで、スタッフがより重要度の高い仕事に注力できるようになります。

<DXによる業務効率化の具体例>

・近隣の観光施設や道の案内ができるアプリの提供を行い、コンシェルジュサービスを縮小する

・清掃ロボットの活用による清掃業務の効率化

・配膳管理システムによる配膳のタイミングと内容の把握

利便性の向上

DXは、ホテル内部の業務に活用するだけでなく、宿泊者へのサービス提供にも活用できます。

コロナ禍においては、人と人との密接な関わりや接触は、あまり好ましくありません。また、近年ではコミュニケーション手段としての電話を、好まない人も増えているといわれています。デジタルを介したやりとりや、人相手ではないコミュニケーション手段を用意することで、気軽に問い合わせや予約をしてもらいやすくなるでしょう。 また、問い合わせ対応や予約受付のデジタル化には、24時間いつでも都合の良いときに問い合わせや予約をしてもらえるというメリットもあります。

<DXによる利便性向上の具体例>

・オンライン予約システムの導入

・24時間対応のAIチャットボットの導入

「はたLuck(R)」で宿泊施設のDXを進めよう

店舗マネジメントツール「はたLuck(R)」には、宿泊施設のDXに役立つ機能がそろっています。ここからは、はたLuck(R)の代表的な3つの機能についてご紹介しましょう。

連絡ノート機能

連絡ノート機能は、専用アプリを通して、支配人やスタッフからの連絡を、必要な人がいつでも気軽にチェックできる機能です。早番・遅番・夜番など、交代制で働くことが多い宿泊業界では、交代時の引き継ぎ連絡が必須です。連絡ノートを活用することで、スムーズに次のスタッフへの情報伝達ができるようになります。

また、連絡ノート機能は、新メニューや新しい集客施策についての情報共有にも便利です。例えば、1つの宿泊施設に複数のレストランが入っていると、スタッフ全員が施設内すべてのレストランについて熟知するのは困難なこともあるでしょう。連絡ノート機能で自分の配属先以外の情報も把握できるようになれば、宿泊客や来客から質問があった際、所属にかかわらず適切な案内が可能です。

マニュアル機能

マニュアル機能は、動画や画像などをつけたマニュアルを作成・格納できる機能です。新人教育ツールとして接客マニュアルなどを用意しておけば、教育担当者による教え方のバラつきを防ぐことができますし、早期戦力化が期待できるでしょう。

新しく入社したスタッフも、いつでもマニュアルを見返せますから疑問点をすぐに解決でき、安心して業務にあたれます。

シフト管理機能

はたLuck(R)では、シフト希望の回収から作成・共有までを、すべてアプリ内で行えます。シフト作成にかかる工数を削減することで、その分、サービス品質向上に注力することが可能です。人件費計算機能もついていますから、繁忙期や閑散期に合わせたシフト作成を効率良く行えます。

また、本部側があらかじめ適正シフトを登録しておく適正シフト機能や、シフト状況をリアルタイムで確認できる機能を活用すれば、人件費の最適化にもつながります。

例えば、宿泊施設にあるレストランでは、店長の感覚で必要なスタッフ数を割り出すことが多くありますが、必ずしも実際に必要とされるスタッフ数とは一致しません。必要以上にスタッフを配置して、人件費がかさんでしまう可能性もあるでしょう。

各レストランのシフトを本部から見ることができないと、このような事態が起こっていても本部が確認できず、問題が放置されてしまいます。

はたLuck(R)の適正シフト機能を活用すれば、キッチンやホールなどのポジションや、曜日などの切り口で最適なスタッフ数を割り当てたシフトを作成できます。

無闇に人員を削りすぎるとサービスのクオリティの低下を招きますが、必要以上の人員を配置するのはコストの無駄です。本部が介入することで、スタッフ数の最適化を行うことが大切です。

はたLuck(R)を利用したホテルのDX事例

最後に、新卒採用者のフォローに、はたLuck(R)を活用したホテルの事例をご紹介します。

この施設では、「内定から入社までの期間中に内定辞退者が出るのを防ぎたいが、コロナ禍で集合研修が難しい」という状況の中で、はたLuck(R)を利用した内定者研修を行いました。

事前の自己紹介でお互いの理解を深める

まずは、連絡ノートに自己紹介用のタブを作成し、新入社員がそれぞれ自己紹介を書き込めるようにしました。

入社前にどのような仲間と働くことになるのかがわからないと、不安に感じる社員もいるでしょう。自己紹介を閲覧したりコミュニケーションをとったりできるプラットフォームを構築しておくことで、入社前から同期のあいだに交流が生まれ、安心して入社日を迎えやすくなります。

サービスマニュアル動画で業務内容をわかりやすく解説

「お客様へ物をお渡しする方法」や「よくある電話の受け答え」といった細かい内容まで網羅するマニュアル動画を用意し、新入社員に閲覧してもらいました。

さらに、「このマニュアルがどうして必要なのか」「マニュアルに関連して、どんなことに気をつけるべきだと思ったか」といった感想を発信させることで、マニュアル内容への理解を深めます。この発信は、ほかの新入社員も閲覧できるため、コメントや「いいね」といったリアクションで交流を深めたり、ほかの新入社員の考えを知って新たな気づきを得たりするのに役立ちました。

グループ研修課題の実施

マニュアル動画の閲覧後は、新入社員を複数グループに分けて、マニュアル動画に関するグループ研修課題に取り組みました。

個別やグループ内で気軽にやりとりができる、はたLuck(R)の「トーク機能」などを活用して打ち合わせを行い、マニュアル動画への理解を深めました。なお、この課題の発表も、はたLuck(R)上で行っています。

チームで課題に取り組むことで、実際に対面していなくても良い関係性を構築し、入社前に仲間意識を培うことができます。

ホテル・旅館のDXで今後の成長を目指す

一部、回復傾向が見られるものの、ホテル・旅館といった宿泊業界は依然、厳しい状況にあるといえるでしょう。コロナ禍の中で成長を目指していくためには、これまで当たり前に行っていた業務を見直していく必要があります。現状の課題を洗い出し、DXによる解決を目指していきましょう。

DXの進め方に悩んでいる方や、自社にとってメリットがあるかどうかわからないという方は、はたLuck(R)のオンライン相談会でお気軽にご相談ください。