はたLuckロゴ

ご利用中の方はこちら

サポートサイトはこちら

さらに詳しい機能別資料

全資料掲載ページへ

お問い合わせはこちら

お問い合わせイラスト
お問い合わせ

はじめての資料はこちら

資料ダウンロードイラスト
資料三点セットのダウンロード

従業員満足度向上だけでは不十分!ウェルビーイング経営の6つの施策とステップ



「給与や福利厚生を改善してきたのに、離職が止まらない」
「従業員満足度向上の施策に手を打ってきたが、現場のモチベーションが上がらない」
「ウェルビーイング経営という言葉を聞くけど、今のES施策とは何が違うのか。本当に取り組むべきなのかわからない」

従業員満足度(ES)の向上に取り組みながらも成果が出ず、ウェルビーイングに興味を持っている方もいるのではないでしょうか。

従業員満足度は待遇や職場環境に対する評価を測る指標であるのに対し、ウェルビーイングは心身の健康や働きがい、自己実現までを含む広い概念です。従業員満足度を高めるだけでは、従業員が「この会社で働き続けたい」と感じる状態には至りません。

本記事では、従業員満足度とウェルビーイングの違いや関係性から、ウェルビーイング経営が求められる理由、6つの施策と4つの導入ステップまで解説します

効果を引き出すためのポイントや企業事例も紹介しているため、離職防止やエンゲージメント向上に課題を持つ方に役立つ内容です。

本記事を読み、自社の人事施策をウェルビーイングの視点で見直すきっかけにしてください。

目次

従業員満足度(ES)とウェルビーイングの違いと関係性

従業員満足度とウェルビーイングは混同されやすいものの、対象とする範囲や目的が異なります。自社の施策を見直すには、それぞれの定義と構成要素を正しく理解したうえで、両者の関係性を押さえる必要があります。

この章では、以下の内容を解説します。

  • 従業員満足度(ES)の定義
  • ウェルビーイングの定義と5つの構成要素
  • 両者の違いと相互関係

それぞれの概念を整理したうえで、自社の施策にどう活かすかを考えてみてください。

従業員満足度(ES)の定義

従業員満足度とは、企業に雇用されて働く従業員が、職場環境や待遇に対してどの程度満足しているかを示す指標です。英語では「Employee Satisfaction」と表記され「ES」と略されます。

具体的には、給与や福利厚生、職場の設備、業務ツールなど、会社から提供される環境に対する評価を測定します。

従業員満足度を構成する要素は、大きく以下の3つに分類されます。

  • 心理的安全性:安心して発言・行動できる環境が整っているか
  • 働きやすさ:業務負荷やシフト、評価制度が公正かどうか
  • やりがい:承認や成長、キャリアの展望を感じられるか


これらの要素が満たされていれば、従業員は「この会社で働くことに満足している」と感じやすくなります。しかし、従業員満足度はあくまで「会社に対する評価」であり、従業員の心身の健康や働きがい、私生活を含めた幸福感までは捉えられません。

この点が、次に解説するウェルビーイングとの違いにつながります。

従業員満足度については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

▼関連記事:従業員満足度(ES)とは?働きやすい環境づくりのためにできること|はたLuck

▼関連記事:サービス業にこそ「従業員満足度」が必要な理由とは?生産性を高める3つのポイントと改善事例|はたLuck

ウェルビーイングの定義

ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的・精神的・社会的に満たされている状態を指す概念です。一時的な幸せ(Happiness)とは異なり、持続的な幸福を意味する言葉として使われています。

厚生労働省の雇用政策研究会が2019年7月にまとめた報告書では、ウェルビーイングを次のように定義しています。

個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念

引用:厚生労働省「雇用政策研究会報告書

「身体的・精神的・社会的に良好な状態」という考え方は、世界保健機関(WHO)が設立当初から掲げているWHO憲章の前文にも記されています。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にある

引用:公益社団法人日本WHO協会「健康の定義

企業経営においては、従業員が働きやすいだけでなく、仕事を通じて成長ややりがいを感じ、私生活も含めて充実した状態を目指す概念として扱われます。

▼関連記事:はたLuck公式コラム「ウェルビーイングとは」

ウェルビーイングを構成する5つの要素(ギャラップ社)

アメリカの調査会社ギャラップ社は、ウェルビーイングを構成する要素として以下の5つを提唱しています。

以下の表で、それぞれの要素と内容を整理しました。

要素内容
キャリア・ウェルビーイング仕事や日々の活動に対して充実感を持てている
ソーシャル・ウェルビーイング良好な人間関係に恵まれている
ファイナンシャル・ウェルビーイング経済的に安定しており将来に対する不安がない
フィジカル・ウェルビーイング心身が健康で活力に満ちている
コミュニティ・ウェルビーイング地域や組織とのつながりがあり、貢献感がある

参考:GALLUP「The Five Essential Elements of Well-Being

5つの要素のうち、どれか一つだけを高めても効果は限定的です。たとえば経済面が安定していても、人間関係にストレスを抱えていれば、幸福感は下がってしまいます。

したがって、すべての要素を満たせるように施策を実施しましょう。後述する「従業員満足度を高めるウェルビーイング経営を実現する施策」では、各施策が5要素のどれに対応するかも合わせて解説します。

両者の違いと相互関係

従業員満足度とウェルビーイングは、似ているようで目的や対象範囲が異なります。ここでは、5つの観点から違いを整理したうえで、両者がどのように影響し合っているかを解説します。

従業員満足度とウェルビーイングの違い

以下の表で、両者の違いを比較します。

比較項目従業員満足度(ES)ウェルビーイング
方向性会社から与えられる環境への「一方通行」な評価自ら組織に貢献したいという「双方向」の視点
目的給与や労働条件など具体的な要因による満足感の測定仕事の意義や自己実現を含む総合的な幸福の追求
持続性不満解消後に「当たり前」になりやすい一過性の指標自己実現や成長を伴うため効果が継続・循環する
対象範囲職場内の事象に限定プライベートや心身の健康を含む広い領域
アプローチ給与改善や福利厚生の充実など具体的な施策職場文化の改革や健康促進、ワークライフバランス支援などの施策

上記の比較から整理すると、従業員満足度は「職場の待遇や条件に対して従業員がどう感じているか」を測る指標です。

一方、ウェルビーイングは「従業員の心身や生活全体が良好かどうか」を捉える、より広い概念といえます。

従業員満足度とウェルビーイングの関係性

従業員満足度とウェルビーイングは、相互に影響を与え合う関係にあります。

福利厚生の充実や給与の改善といった従業員満足度向上施策は、従業員の働きやすさに直結するため、ウェルビーイングの土台をつくる手段の一つと位置づけられます。

しかし、給与増や休暇増といった処遇改善だけでは、仕事の意義や社会貢献の実感を得るには不十分です。

一方、柔軟な働き方の導入やキャリア支援などのウェルビーイングを意識した施策は、従業員満足度を高め、離職を防ぐ効果も期待できます。

つまり、従業員満足度を高めればウェルビーイングの基盤ができます。そしてウェルビーイングを高めれば従業員満足度がさらに向上するという好循環が生まれます。どちらか一方ではなく、両方を意識した施策設計が重要です。

従業員満足度向上施策だけでは不十分?ウェルビーイング経営が必要な理由



従来の従業員満足度向上施策だけでは、離職やモチベーション低下を根本から解決できなくなっています。なぜウェルビーイング経営への転換が求められるのか、その背景を3つの観点から整理します。

  • 待遇改善など従来型施策だけでは限界があるから
  • 労働に対する価値観が変化しているから
  • 人手不足が深刻化しているから

それぞれの理由を、調査データや社会構造の変化とともに解説します。

1. 待遇改善など従来型施策だけでは限界があるから

給与アップや休暇の増加といった待遇改善は、短期的に従業員の不満を解消するには有効です。しかし、仕事への熱意や主体性を引き出すには至りません。

待遇が良くなると「それが当たり前」という感覚が定着し、さらに良い条件を求めて新たな不満が生まれやすくなります。こうした構造では、若手の離職防止やモチベーション低下といった課題を解決しきれません。

そのため、不満の解消にとどまる従業員満足度向上施策だけでなく、従業員が仕事にやりがいを感じ、自発的に貢献できる状態をつくるウェルビーイング経営へと切り替える必要があります。

2. 労働に対する価値観が変わってきているから

博報堂生活総合研究所の調査(2024年)によると、日本人の「家庭第一志向」は82.2%に達しています。一方で「仕事第一志向」はわずか17.7%にとどまっています。

とくに「会社の中で出世したい」と考える人はわずか13.9%です。

このように、出世やポストを報酬とする手法は響きにくくなっており、地位や金銭といった外発的動機づけが効きにくくなりました

そこで、やりがいや私生活の充実を含む内発的・総合的な幸福を示すウェルビーイングを提供する組織文化への転換が求められています。

3. 人手不足が深刻化しているから

少子高齢化によって生産年齢人口は減少を続けています。パーソル総合研究所×中央大学の共同研究によると、2030年には日本全体で約644万人の労働力が不足すると推計されています。

なかでもサービス業は深刻で、2030年時点で約400万人の人手不足が見込まれています。他産業と比べても人材確保が難しい業界であり、単に労働条件を整えるだけでは採用競争を勝ち抜けません。

このように労働力そのものが減少するなかでは「ここで働き続けたい」と従業員に感じてもらえるかどうかが、人材の定着を左右します。 待遇面の整備に加え、仕事を通じた成長ややりがい、心身の健康といった持続的な幸福感を提供できる企業が、人材確保において優位に立てます。

ウェルビーイング経営のメリット|従業員満足度向上以外の効果も解説

ウェルビーイング経営は、単なる福利厚生コストではありません。従業員満足度の向上にとどまらず、生産性の改善や採用力の強化、ブランド価値の向上にもつながります。

この章では、ウェルビーイング経営がもたらす6つのメリットを解説します。

  • 従業員満足度・エンゲージメントが向上する
  • 顧客満足度(CS)が向上する
  • 生産性向上につながる
  • 離職率が低下する
  • ウェルビーイング採用による人材獲得につながる
  • ブランドイメージが高まる

具体的なデータや理論とともに、それぞれの効果を確認していきましょう。

1.従業員満足度・エンゲージメントが向上する

ウェルビーイング経営に取り組むと、従業員満足度(ES)とエンゲージメントの両方が向上します。

ウェルビーイングが整った職場では、従業員は「会社が自分の健康や働き方を大切にしてくれている」と感じます。それにより、従業員満足度が高まるのです。

加えて、ポジティブ心理学の権威であるマーティン・セリグマン教授が提唱する「PERMA理論」では、ウェルビーイングを構成する5つの要素の一つに「エンゲージメント(没頭・熱中)」が含まれています。やりがいを感じながら熱中して取り組むものがある人は、ウェルビーイング(幸福度)が高いと示されています

ウェルビーイングが向上すれば、従業員満足度とエンゲージメントの両方が高まり、結果として組織全体の生産性を押し上げる効果が期待できます。

2.顧客満足度(CS)が向上する

従業員のウェルビーイングを高めれば、顧客満足度(CS)の向上にもつながります。

根拠となるのが、経営学の「SPC理論(サービス・プロフィット・チェーン)」です。SPC理論とは、従業員満足度(ES)の向上がサービス品質を高め、顧客満足度(CS)とロイヤルティの向上につながり、最終的に企業利益の拡大へと結びつくという因果関係を示した理論です。

この理論が示すとおり、働きやすい環境で満たされた従業員は、顧客へのサービス品質を自発的に高めます。その結果、顧客満足度が上がりリピート率が伸びるため、顧客1人あたりのLTV(顧客生涯価値)の拡大にもつながります。

▼関連記事:サービスプロフィットチェーン(SPC)とは?顧客満足度向上のために不可欠なことを解説|はたLuck

3.生産性向上につながる

心身が良好な状態にある従業員は、個人のパフォーマンスを発揮しやすくなります。

ソニア・リュボミアスキー氏らによる225の学術論文のメタ分析(2005年)では、幸福度の高い従業員は生産性が平均31%高く、売上が37%高く、創造性は3倍高いと報告されています。

弊社HataLuck and Personの調査でも、ウェルビーイングと相関の高い従業員エンゲージメントスコアの上位25%と下位25%の店舗間で、人時生産性に約30%の差が生じていることがわかりました。

リュボミアスキー氏の研究は「幸福度(ウェルビーイング)」と生産性の関係を、弊社の調査は「エンゲージメント」と生産性の関係をそれぞれ示したものです。先述のとおりウェルビーイングとエンゲージメントは密接に連動しているため、ウェルビーイングを高める取り組みが、組織の生産性を押し上げる土台になるといえます。

こうした生産性の向上を実現するには、まずエンゲージメントの現状を正しく把握し、改善のサイクルを回す仕組みが欠かせません。

はたLuck」のエンゲージメントプログラムでは、2ヵ月に1度のサーベイで店舗ごとのスコアを可視化し、AIが改善アクションを自動で提案します。データに基づいた施策を実行すれば、現場の生産性向上を叶えられます。

4.離職率が低下する

やりがいを感じられ、心理的安全性の高い職場環境を構築できれば、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

オックスフォード大学ウェルビーイング研究センターとLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の共同研究(Krekel, Ward, De Neve, 2019)では、339件の独立研究・約188万人の従業員データを対象にメタ分析(※)を実施しています。その結果、ウェルビーイングが高い職場ほど離職率が低いことが確認されました。

ウェルビーイング経営によって従業員の幸福感が高まれば「この会社で働き続けたい」という定着意欲が強まり、離職率の改善につながります

※メタ分析とは、過去に行われた複数の研究データを統計的に統合し、個別の研究よりも信頼性の高い結論を導く分析手法です。

5.ウェルビーイング採用による人材獲得につながる

従業員の幸福を重視する企業姿勢は、就職・転職市場においてアピール材料になります。

近年の求職者は、給与や知名度だけでなく「この会社は自分を大切にしてくれるか」という観点で企業を選ぶ傾向が強まっています。健康経営やウェルビーイングに関する取り組みを積極的に発信すれば、企業の価値観に共感する優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

ウェルビーイング経営の実践は、採用競争力を強化するうえでも有効な手段です。

6.ブランドイメージが高まる

ウェルビーイングへの取り組みを対外的に発信すれば、顧客やビジネスパートナーからの評価が向上し、企業全体のブランド価値が高まります。

たとえば、経済産業省が推進する「健康経営優良法人」などの認定を取得すれば「従業員の健康に配慮する優良企業」として社会的な信頼を得られます。この認定は、上位500社が「ホワイト500」として選ばれる制度で、採用活動や取引先との関係づくりにも好影響を与えます。

加えて、投資家の間では「人にどれだけ投資しているか」を重視する動きが広がっています。ESG投資と呼ばれる環境・社会・企業統治を評価する投資手法のなかで、従業員のウェルビーイングへの取り組みは「社会」の評価項目に該当します。

こうした外部からの評価は、顧客や株主、取引先など関係者全体の信頼を集め、企業のブランドイメージの向上につながります。

言葉だけが先行?ウェルビーイングの実態や課題

ウェルビーイング経営はメリットが多い一方で、導入すればすぐに成果が出るわけではありません。制度や言葉だけが先行し、現場の実態が追いついていないケースも見受けられます。

実際に、パーソル総合研究所の「はたらく人のウェルビーイング実態調査 2025」によると「ウェルビーイング」の認知度は27.1%に倍増していると報告されました。しかし、仕事を通じた幸福感は40.8%に低下しており、不幸感は22.5%に増加しています

また、未知株式会社の調査(2025年10月)でも、従業員の88.3%が「QOL(生活の質)向上と仕事満足度は関係がある」と回答しているものの、現在の仕事に満足している層は26.4%、生活に満足している層も41.0%と低い水準にとどまっています。

このように、言葉の認知だけが進み、現場の幸福感に結びついていない状況です。

こうしたギャップが生まれる原因の一つは、経営層が制度を整えただけで「導入完了」としてしまい、現場の声を反映しきれていない点にあります。制度だけ用意しても、現場が忙しすぎて活用されなければ意味がありません。

ウェルビーイング経営を形だけで終わらせないためには、柔軟な働き方やメンタルケアなど、従業員が実際に求めている施策を把握し、実行に移す姿勢が求められます。次の章では、課題を踏まえたうえで、実効性のある6つの施策を紹介します。

従業員満足度を高めるウェルビーイング経営を実現する施策



ウェルビーイング経営を実践するためには、前章で触れた5つの構成要素を意識した施策設計が重要です。ここでは、6つの施策を紹介します。

  • 柔軟な働き方を導入する(キャリア・ウェルビーイング、フィジカル・ウェルビーイング)
  • オフィス環境を改善する(フィジカル・ウェルビーイング、ソーシャル・ウェルビーイング)
  • 従業員同士のコミュニケーションを増やす(ソーシャル・ウェルビーイング、コミュニティ・ウェルビーイング)
  • 健康経営を推進する(フィジカル・ウェルビーイング)
  • キャリア支援とリスキリングの機会を提供する(キャリア・ウェルビーイング)
  • 資産形成をサポートする(ファイナンシャル・ウェルビーイング)

各施策がどのウェルビーイング要素を満たすかを上記に記載しました。 以下で詳しく解説します。

1.柔軟な働き方を導入する

従業員が時間や場所を選んで働ける環境を整えれば、ワークライフバランスが向上し、心理的な負担を軽減できます。フレックスタイム制やテレワークの導入が代表的な施策です。

個人のライフステージ(子育て・介護・通院など)に応じた働き方を認めれば、心理的な負担を軽減できます。「働く場所の柔軟な選択とウェルビーイング度の関係の研究」でも、働く場所の自由度が高いほどウェルビーイング度が高まる傾向が実証されています。

一方で、店舗ビジネスではオフィスワークのようなテレワークは難しいため「希望のシフトが通るか」「休日に業務連絡が来ないか」がウェルビーイングに直結します。こうした店舗特有の課題には、シフト管理をデジタル化できるツールの活用が有効です。

たとえば「はたLuck」では、スマホでシフトの提出・確認が完結します。急な欠員時には近隣店舗へヘルプを募集する機能もあるため、休み希望が通りにくいという現場の不満を解消しやすくなります。

2.オフィス環境を改善する

職場の物理的な環境を整えれば、従業員のストレスを緩和し、生産性を高められます。具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 自然光や植物を取り入れたオフィスデザインの採用
  • リラックスできる休憩スペースの設置
  • 集中作業用の個室と協働スペースの使い分け

快適な作業環境は「フィジカル・ウェルビーイング」の向上に寄与します。また、休憩スペースで自然にコミュニケーションが生まれれば「ソーシャル・ウェルビーイング」にもつながるでしょう。

3.従業員同士のコミュニケーションを増やす

職場でのコミュニケーションが不足すると、孤立感やすれ違いが生まれ、従業員の満足度が低下します。一方で、上司と部下の縦のつながりだけでなく、同僚間の横のつながりを活性化させれば、組織全体の連帯感が強まります

具体的には、定期的なミーティングの開催や社内SNSの活用によって、従業員が自由に意見を交換できる場を設けてください。加えて、サンクスカードのように日常的に感謝や称賛を送り合う仕組みを取り入れれば、目立たない貢献にも気づきやすくなります。

ただし、出勤日数が限られるシフトワーカー同士の場合、こうした文化をアナログだけで定着させるのは簡単ではありません。

業務連絡にプライベートのLINEやSNSを使っている現場も多いものの、公私の境界が曖昧になり、休日にも通知が届くストレスや情報漏洩のリスクが生じます。

したがって、コミュニケーションを活性化しつつ、プライベートとの棲み分けを実現するには、業務専用のアプリで情報共有を完結させる仕組みが有効です。

はたLuck」なら「連絡ノート」機能で店長と現場スタッフ間のスムーズな情報共有が可能です。また「星を贈る」機能を使えば、日常的に感謝や称賛をデジタルで送り合えます。

4.健康経営を推進する

従業員の心身の不調を早期に発見し、健康な状態を維持できる体制を整える施策です。以下のような取り組みが挙げられます。

  • 定期的な健康診断やストレスチェックの実施
  • メンタルヘルスの相談窓口の設置
  • 運動習慣の推奨や健康的な食事の提供
  • 健康管理アプリやダッシュボードによる個人・組織の健康状態の可視化

また、見落とされがちなメンタル不調の原因の一つに「休日にも店舗の業務連絡が来る」「業務時間外にマニュアルを確認せざるを得ない」といった、オンとオフの境界が曖昧になるストレスがあります。とくに店舗ビジネスでは、シフト外の連絡や通知が従業員の負担になりやすい傾向があるため、注意が必要です。

はたLuck」であれば、マニュアルの閲覧を「シフトに入っている時間だけ」に制限する機能があり、業務時間外の通知や接触をシステム側で防げます。

5.キャリア支援とリスキリングの機会を提供する

従業員が「この会社で成長できる」と感じられるキャリア支援やリスキリングの仕組みをつくれば、定着率の向上にもつながります。具体的な施策としては、以下のようなものがあります。

  • 定期的な1on1ミーティングで、従業員の目標や悩みに寄り添う
  • リスキリング(新しいスキルの習得)や資格取得の費用を補助する
  • 社内公募制度やジョブローテーションで、個人の適性に応じた配置転換を行う
  • eラーニングや社外研修の受講機会を提供する

これらの施策によって、従業員は自身の成長を実感しやすくなり、仕事へのやりがいが高まります。

6.資産形成をサポートする

将来のお金に対する不安は、従業員のパフォーマンスを下げる要因の一つです。経済的な安心感を提供する施策としては、以下のようなものがあります。

  • 企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金の導入
  • 職場での金融経済教育セミナーの開催
  • 財形貯蓄制度や従業員持株会の整備
  • ファイナンシャルプランナーへの相談窓口の設置

経済面で余裕が生まれれば、従業員は目の前の業務に集中できる精神的な余裕を持てます。福利厚生の一環として経済的なサポートを行えば、エンゲージメントの向上にもつながります。

ウェルビーイング経営を推進する4つのステップ



ウェルビーイング経営は、施策を単発で終わらせても定着しません。組織の文化として根付かせるためには、正しい手順で段階的に進める必要があります。

  • 【ステップ1】現状の可視化
  • 【ステップ2】課題の分析
  • 【ステップ3】施策の実行と仕組み化
  • 【ステップ4】継続的な効果測定と改善

各ステップの具体的な進め方を、以下で解説します。

【ステップ1】現状の可視化

最初に行うべきは、組織の現状を数値で把握することです。ウェルビーイングの現状を正しく捉えるには、異なる複数の調査を組み合わせる必要があります。

以下の表で、代表的な調査手法とそれぞれの役割を紹介します。

調査手法測定する内容
従業員満足度調査(ES調査)給与・福利厚生・人間関係など待遇面への満足度
エンゲージメントサーベイ仕事への熱意・組織への貢献意欲
ストレスチェック心身の負荷やメンタル不調のリスク
eNPS従業員が自社を他者に推奨する意欲

ウェルビーイングそのものを数値化したい場合は、金沢工業大学心理科学研究所が提供する「PERMA-Profiler」も活用できます。ポジティブ感情・没頭・人間関係・意義・達成の5要素で幸福度を測定するツールです。

調査を設計する際は「何を測るか(測定項目)」「誰に聞くか」「どう回収するか」を明確にしてください

また、全社スコアだけでなく、部署や店舗、年代別に分けて傾向を洗い出せば、次のステップ(課題分析)で改善すべきポイントを絞り込みやすくなります。

▼関連記事:eNPSとは|測定方法、導入のメリット・デメリット、活用方法、事例を解説|はたLuck

【ステップ2】課題の分析

可視化されたデータをもとに、ウェルビーイングを阻害している根本原因を特定します。

課題を分類する際には、以下のような点を確認しましょう。

  • コミュニケーション不足が原因か
  • 評価制度への不満が原因か
  • 労働環境や働き方に問題があるか

スコアや数値などの定量データだけでなく、自由記述欄やフォーカスグループインタビューなどでの回答などの定性情報も掛け合わせてください。

数字の裏にある背景を読み取り、解決すべき課題の順位付けを行いましょう。

【ステップ3】施策の実行と仕組み化

分析結果に基づき、自社の課題に最適な施策を選んで実行します。前章で紹介した6つの施策のなかから、課題に合ったものを選定してください。

施策を一過性で終わらせず仕組み化するためには、以下の3点を意識しましょう。

  • 精神論や個人の努力に頼らず、ポジティブな行動が自然と起きる「ツールや制度」を導入する
  • いきなり全社展開せず、一部のモデル店舗や部署からテスト導入して成功体験を作る
  • 施策の担当者や推進チームを明確にし、実行と振り返りを行ってもらう

段階的に全社へ広げていけば、現場の納得感を得やすく、定着しやすくなります。

【ステップ4】継続的な効果測定と改善

施策の導入後は、効果が出ているかどうかを数値で検証する段階に入ります。

ステップ1で実施したES調査やエンゲージメントサーベイを定期的に再実施し、スコアの推移を追跡してください。数値に加えて、離職率や1on1の実施状況といった行動指標もあわせて確認すれば、施策が現場に浸透しているかどうかを多角的に判断できます

改善が見られない項目は原因を分析し、施策の内容や優先順位を見直してください。この検証と改善のサイクルを繰り返すことで、ウェルビーイング経営が一過性の取り組みで終わらず、組織に根づいていきます。

従業員満足度・ウェルビーイング向上の効果を最大化させる4つのポイント


ウェルビーイング経営を形骸化させず、実際に効果を引き出すには運用面での工夫が欠かせません。以下の4つのポイントを押さえましょう。

  • 長期的に取り組む
  • 各従業員にパーソナライズされた施策を行う
  • 現場の負担を最小限に抑えて調査する
  • ITシステムやAIツールを導入し、施策を実施する

それぞれの具体的な進め方を、以下で解説します。

長期的に取り組む

ウェルビーイング経営の効果は、1回の施策では表れにくく、年単位で継続して初めて組織に定着します。

たとえば、サーベイを1回実施しただけでは「やったきり」で終わってしまい、現場に変化は起きません。2ヵ月に1回など定期的にサーベイを繰り返し、結果をもとに施策を見直すサイクルを回し続ける姿勢が求められます

各従業員にパーソナライズされた施策を行う

従業員のライフステージ(若手・子育て世代・シニア層など)や価値観は多様化しているため「全員に同じ施策」では効果を発揮しにくくなっています。

従業員が自身の状況に合ったサポートを選べるよう、複数の選択肢を用意しましょう。

  • 健康支援:フィットネス補助、禁煙プログラム、健康診断オプションの追加
  • 学習支援:資格取得補助、eラーニング受講、外部セミナー参加費の負担
  • 余暇支援:リフレッシュ休暇、旅行補助、趣味活動への費用補助

こうした選択肢を体系的に管理する方法として、カフェテリアプラン(選択型福利厚生)の導入も有効です。あらかじめ従業員にポイントを付与し、上記のような支援メニューのなかから自分に合ったものを自由に選べる仕組みです。

従業員の自律性を尊重した制度設計が、ウェルビーイング経営の効果を高めます。


現場の負担を最小限に抑えて調査する

現状把握は重要ですが、質問数が多すぎるサーベイは現場の業務を圧迫し、かえってウェルビーイングを低下させる原因になります

回答しやすい少数の設問を高頻度で実施し、現場に負担をかけずに変化を捉える工夫が必要です。

はたLuck」であれば、2ヵ月に1度、たった9問の簡単なアンケートをスマホに配信するだけで、アルバイトスタッフからも負担なくエンゲージメントスコアを取得できます。

ITシステムやAIツールを導入し、施策を実施する

人の手によるデータの集計や分析には限界があります。また、結果が現場へのフィードバックに活かされず放置されるケースも少なくありません。

ITシステムやAIを活用すれば、エンゲージメントの因果関係を短時間で分析し、組織の課題を可視化できます。管理職に対して「次に行うべき改善アクション」を自動で提示する仕組みを導入すれば、データに基づいた行動変容を促せます。

近年は「はたLuck AI」のように、サーベイの自動分析から改善提案、シフト管理、コミュニケーション機能までを一つのアプリに統合したサービスも登場しています。

はたLuckでウェルビーイング経営に取り組んだ企業の事例



株式会社オオゼキ様では、世代間の価値観の違いによりマネジメントが難しくなっていました。競合店がひしめく環境のなかでスタッフのモチベーションをどう引き出すかが課題でした。

そこで、はたLuck「星を贈る」機能を活用し、店長自らがスタッフへ「褒める」「感謝する」を率先して行う「星を贈ろうキャンペーン」を実施しています。

結果として、数ヵ月でスタッフ全体に感謝を伝え合う文化が浸透しました。目立たないスタッフの気遣いにも周囲が気づくようになり、チーム全体のモチベーションが向上しています。

さらに、一体感が醸成されたことで、年末商戦の売上目標達成にもつながりました。

株式会社オオゼキ様のウェルビーイング経営に取り組んだ事例は、以下で詳しく紹介しています。

従業員満足度とウェルビーイングに関するよくある質問

従業員満足度とウェルビーイングについてのよくある質問を2つ取り上げて回答します。

従業員満足度とウェルビーイングの違いは?

従業員満足度(ES)は、給与や福利厚生といった「待遇や職場環境への満足度」を指す指標です。

一方、ウェルビーイングは身体的・精神的・社会的に良好な状態を総合的に捉える概念であり、職場だけでなくプライベートや心身の健康も含む広い領域を対象としています。

従業員満足度が低下する原因は?

従業員満足度が低下する主な原因として、以下の4つが挙げられます。

  • 労働時間に見合わない給与や、不透明な評価制度への不満
  • 有給休暇が取りづらい、残業が常態化しているといったワークライフバランスの崩れ
  • 上司や同僚とのコミュニケーション不足や心理的安全性の欠如
  • 会社のビジョンに共感できず、キャリアパスが描けないと感じている

これらの原因は個別に対処するだけでなく、ウェルビーイングの観点から総合的に見直すことで、根本的な改善につながります。

従業員満足度を高めるウェルビーイング経営を推進しよう

従業員満足度(ES)は待遇や環境への評価を測る指標であるのに対し、ウェルビーイングは心身・社会的な良好状態を総合的に捉える概念です。従業員満足度の向上だけでは仕事へのやりがいや成長実感に至らないため、ウェルビーイング経営への転換が求められています

本記事では以下のような施策を紹介しました。

  • 柔軟な働き方の導入
  • オフィス環境の改善
  • 従業員同士のコミュニケーション活性化
  • 健康経営の推進
  • キャリア支援とリスキリングの機会提供
  • 資産形成のサポート

これらの施策を導入する際は、現状の可視化→課題分析→施策実行→効果測定という4つのステップで段階的に進めてください。

ウェルビーイング経営を進めるうえで欠かせないのが、従業員のエンゲージメントや満足度を正しく測定し、現場に負担なくデータを取得する仕組みです。

はたLuck」なら、2ヵ月に1度・9問のサーベイでエンゲージメントスコアを取得できます

加えて、シフト管理や連絡ノートによる情報共有「星を贈る」機能による感謝の見える化など、ウェルビーイングを高めるための機能が一つのアプリに揃っています。

現場の負担を抑えながらウェルビーイング経営を推進したい方は、気軽にご相談してみてください。


この記事の監修
滝澤美帆学習院大学 経済学部 教授の写真
滝澤美帆

学習院大学 経済学部 教授

専門はマクロ経済学・生産性分析・データ分析。2008 年一橋大学博士(経済学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東洋大学、ハーバード大学国際問題研究所日米関係プログラム研究員などを経て、2019 年学習院大学准教授。2020 年より現職。現在、産業構造審議会、中小企業政策審議会など複数の中央省庁委員や東京大学エコノミックコンサルティング㈱のアドバイザー、企業の社外取締役を務める。
著書に『グラフィックマクロ経済学第3版(宮川努氏・外木暁幸氏との共著)』(新世社)などがある。

店舗DXコラム編集部

HATALUCKマーケティンググループのスタッフが、記事の企画・執筆・編集を行なっています。店舗や施設を運営する方々向けにシフト作成負担の軽減やコミュニケーション改善、エンゲージメント向上を目的としたDXノウハウや業界の最新情報をお届けします。

関連記事

シフト管理・エンゲージメント向上・
情報共有などの機能が利用できるDXアプリ「はたLuck」

デモや具体的な料金について
お問い合わせアイコン
お問い合わせ
はじめての方向け3点セット
資料ダウンロードアイコン
資料をダウンロード
資料ダウンロード資料ダウンロード画像
ホームに戻る
-->