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【小売DX】国内・海外のDX推進事例9選をご紹介

近年、小売業にもDXを推進する波が来ています。そのため、自社でもDXを推進したいけどどのような事例があるのか知りたいと考える方も多いのではないでしょうか。DXを推進すれば、多様な消費者ニーズに対応して売上を向上し、慢性的な人手不足を解消できます。


この記事では、DXを推進するメリットや、国内外のDX推進事例を9つ紹介します。


そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは


DXとは、企業がAI・loT・ビッグデータなどのデジタル技術を用いて業務フローの改善、新たなビジネスモデルの創出、レガシーシステムからの脱却、企業風土の変革を実現する取組です。2004年にスウェーデンのウメオ大学に所属するエリック・ストルターマン教授がはじめて提唱したといわれています。


日本でDXという言葉が多く叫ばれるようになったのはここ数年のこと。その理由として、政府がDXの推進を進めたいと考えている点が挙げられます。


政府は「デジタルガバナンス・コード2.0(旧DX推進ガイドライン)」において以下のように考えをまとめています。


一方で、我が国企業で本格的な DX の取組は遅れており、レガシーシステムがいまだ足かせとなっている企業や、ビジネスモデルの変革に取り組むものの、変革の入り口で足踏みしている企業も多い。また、企業の DX を進める能力を無形資産と捉えた、経営者とステークホルダーの対話も十分に行われていない。

出典:経済産業省


このことから、政府としてはグローバル競争が激化しているなかで、DXへの取組の遅れに危機感を抱いていることがうかがえます。


加えて、2020年からまん延した新型コロナウィルスにより、日本でもリモートワークの導入に踏み切る企業が増えたこともきっかけのひとつです。


リモートワークを進めるためには、リモートワーク下でもオフィスと同レベルのセキュリティ強化を図るためにセキュリティソフトやVPNのツールを導入するなどのDXが欠かせません。


そのなかで、これまで導入に消極的だった企業もDXに踏み切るようになったのです。


小売でDXが重要な理由


DXと聞くとIT企業など先進的な企業だけが推進していると考えるかもしれません。しかし、小売業においてもDXは重要な取組です。なぜ小売業でもDXが重要なのかその理由を見ていきましょう。


多様化する消費者ニーズへの対応


小売業でDXが重要な理由のひとつは、多様化した消費者ニーズへの対応が必要になっているからです。


2000年代以降、インターネットが急速に広まったため店舗での販売機会が減少しました。これまでは近隣の店舗に行かなければ購入できなかった商品をインターネットからでも購入できるようになりました。商品の購入経路が増えただけでなく、さまざまな商品を知る機会が増えたことで、消費者のニーズがより多様化したのです。


また、実店舗で見た後にECサイトで商品を購入する、ECサイトで商品を確認した後に実店舗で検討するといった行動を取る顧客も増えています。実店舗だけでなくECサイトやアプリなどオンラインの施策についても力を入れる必要があります。


加えて、DXにより顧客データをより収集しやすくなりました。集めたデータを活用してこれまでわからなかった顧客のニーズも把握しやすくなったのです。


慢性的な人手不足


2つ目の理由として、小売業界では慢性的に人手が不足している点が挙げられます。


帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月)」によると、非正社員の人手不足割合(上位10業種)のうち3つも小売業がランクインしています。



慢性的な人手不足に陥りやすい小売業界において、店舗運営にDXを推進するためには、デジタル技術の知識や経験のあるIT人材を確保しなくてはなりません。


ところが、みずほ情報総研が作成した「IT人材需給に関する調査」を見ると、IT人材需給に関する主な試算結果③で、2030年にIT人材の不足が最大約79万人に達する見込みであると発表されています。調査が行われた2018年時点においても、既に22万人の人材が不足しているため、早いうちからIT人材を確保してDXを推進する必要があります。


小売業がDXを推進するメリット


小売業がDXを推進するメリットは2つあります。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。


顧客満足度の向上


小売業がDXを推進すると、店舗運営のさまざまな場面で業務効率が上がり従業員の負担が軽減されるので、より顧客対応に集中できるというメリットがあります。


セルフレジの導入やスマホのアプリを提供するなどDXを推進すれば、レジでの待ち時間が削減されたりスマホのアプリで欲しい商品がどの店舗にあるのかわかったりします。


その結果、顧客満足度の向上につながり、リピーターの増加による売上アップを狙えるのです。


業務効率化による省人化運営が可能


小売業がDXを推進すると、業務効率化による省人化運営が可能になります。小売業では、商品の仕入れや在庫管理は必要な業務ですが、その全てを手作業のみで行うとかなりの負担がかかってしまいます。しかし、デジタル技術を導入しDXを進めれば、作業時間の大幅な短縮や業務の効率化が期待できます。


たとえば、キャッシュレス決済を導入すれば、レジ対応の時間削減や精算ミスの防止が可能です。


また、AIが不審者を察知するとアラートを出す監視カメラを導入した場合、万引きや危険な行為への対応もスムーズにできるようになります。


さらに、警備員や従業員の人数も省けるようになるため、ミス防止や効率化だけでなく人件費の削減も可能です。


小売業が取り組むべきDXの例


ここからは、小売業が取り組むべきDXの例を3つ挙げます。それぞれのDXについて順番に見ていきましょう。


OMO戦略


OMO戦略とは、オンラインとオフラインを融合しつつ顧客体験を向上させる戦略です。つまり、インターネットと実店舗の両方を分けずに統合的なマーケティング戦略を行います。


OMO戦略を行えば、商品の購入やサービス利用の機会損失を防止したり、売上アップを狙うためのデータを収集したりすることが容易になります。


例えば、顧客がスマホから自社のECサイトで服を購入しようとした際に売り切れだった場合、通常であればそこで購入をあきらめてしまいます。しかし、ECサイトと実店舗のデータを統合しておくことで、顧客が実店舗の前を通りかかったときに顧客へ入荷情報をプッシュ通知することができます。


反対に、実店舗での過去の購入データを活用して、ECサイトで関連商品を訴求することも可能です。


このように、OMO戦略をとれば、オンライン・オフライン双方のチャネルを相互補完することができるのです。


店舗運営の効率化


DXは店舗運営の効率化にも役立つ施策です。


たとえば、キャッシュレス決済を導入すると、クレジットカードやスマホをかざすだけで、決済が完了します。現金でのやり取りに比べて時間がかからないだけでなく、レジの混雑緩和にもつながります。


またクラウド型のシフト管理システムや勤怠管理システムを導入すれば、シフトの作成や給与計算などを効率化できるので、従業員の負担も減らせるでしょう。


データの活用


DXをした場合、顧客情報も電子化できるので、分析がしやすくなります。会員証やアプリの導入により収集した顧客データを元に一部の顧客層に限定してクーポンを配布できます。


さらに商品ごとの売上状況も把握しやすくなるのでどの商品を重点的に販売するか、どの商品を入れ替えるかなどの判断もしやすくなるでしょう。


【国内】小売DXの推進事例5選


自社でDXを推進したくても、どのように進めればよいのかわからない方や他社の事例を知りたい方も多いのではないでしょうか。


ここでは、国内の小売DXの推進事例を5つ紹介します。


イオンモール


イオンモールでは、2021〜2025年度の中期経営計画のなかで、5つの成長戦略の中でデジタルシフトの加速と進化を挙げています。実際に、DXを推進するために専門の部署を設けるなど力を入れています。


たとえば、DXに伴い導入したイオンモールアプリは2022年2月時点で累計ダウンロード数が約750万ダウンロードにのぼりました。顧客はアプリを利用すれば、店舗内や周辺道路の混雑度がわかるようになりました。


加えて、イオンモールに入っているテナントのクーポン配信により、来店頻度の向上につなげています。


さらに、さまざまな施策をする上で必要なデータについては、小売事業だけでなく300を超えるグループ会社から提供するデータを活用しています。


カインズ


カインズは2018年にIT小売企業宣言を掲げ、数年間で約400億円の売上をあげています。


カインズは最初に顧客戦略の分析を行い、リーチが可能かつ来店頻度の多いデジタル会員が、来店頻度の少ないカード会員よりも売上が5.8倍になっている事実を突き止めました。その上で、カインズのことを認知しているが未購入の顧客と非会員の購入者をデジタル会員に変える施策を行ったのです。


オウンドメディア「となりのカインズさん」もそのひとつ。となりのカインズさんの読者がどんな記事を読んだのかのデータから、実店舗までの距離と商品、顧客の思考をもとにWeb広告を出していきました。


さらに、実店舗では非会員限定で会員キャンペーンの実施、カード会員のデジタル会員への転換を行った結果、2,065万人の店舗送客と400億円の売上増加につなげたのです。


ニトリ


ニトリは、2022年4月1日にグループのDX戦略を推進する新会社「ニトリデータベース」を設立しました。


2002〜2003年の時点で仕入れや在庫の管理を全てデジタルにしていたのに加えて、2010年頃からはニトリネットをリリースし、顧客がいつでもどこでも買い物ができる仕組みを作りました。


さらにIT部門や人材の強化にも積極的で、2021年時点のIT人材は350人ですが、2025年に700人、2032年には1,000人まで増やす予定です。


これらの施策により、2032年までに3,000店舗、売上高3兆円を目指しています。


ローソン


ローソンは、2018年以降、人手不足などの経営課題解決のためにDXへの推進を積極的に行っています。


従来からデジタル技術の活用を行ってきましたが、2015年に半自動AI発注システムの導入、2019年にセルフレジの運用を開始、2020年にLawson Goと呼ばれるレジを通り過ぎるだけで決済を行う仕組みを導入する施策も開始しました。


さらに、2022年6月から一部の店舗にカメラやマイクを設置して顧客の行動を分析する施策を始めています。店内に設置した8〜12台のカメラで顧客の入店、会計、退店と言った一連の流れを追跡することで、どの場所で足を止めたのか、手に取った商品が何なのかといった情報を収集しました。店舗にマイクを2,3台設置してファストフードの声掛けの効果を分析しています。


これらの施策によりPOSの売上データや会員カードのデータからはわからなかったデータが多数集まるようになり、施策の改善につなげています。


ビックカメラ


ビックカメラは2022年6月にアメリカのAmazonウェブサービスとセールスフォースのクラウドサービスを全面採用してシステムを内製化すると宣言しました。ビッグカメラグループのDX推進をするために、株式会社ビックデジタルファームを設立しています。


ビックカメラがこのような宣言をした狙いはDX人材の関心を引き、採用するためです。店舗とECの結合を通じて顧客体験を向上させるOMO戦略の推進も発表しています。


【海外】小売DXの推進事例4選


DXは国内よりも海外の方が進んでいます。そこで、海外の小売DXの推進事例についても4つ紹介します。


Walmart(ウォルマート)


ウォルマートはDX推進により業績をアップさせています。


主に行った施策としては、オムニチャンネル化やアプリから注文した商品を店舗で受け取れるサービスです。さらに、2020年9月にはネットスーパーの当日配送サービスを無制限で利用できるウォルマートプラスを始めるなど積極的にDXを推進しました。


DX推進の効果は業績にも現れており、ECの売上の伸長率は2021年8〜10月期が79%増、2022年8〜10月期決算においても8%増加しています。


Amazon Go(アマゾンゴー)


Amazonは日本でも幅広くサービスを展開していますが、2017年にはシアトルにレジのないコンビニAmazon Goを開店しました。


このサービスでは、顧客は専用のアプリをインストールしてゲートでQRコードをかざして入店します。顧客が商品を手に取るとスマホに表示される仕組みです。レジに並ぶ手間がかからなくなるので、顧客体験の向上につながる施策です。


さらに企業に対しては商品の在庫管理・販売・決済・配送まで全ての業務を代行するAmazon Fulfillmentのサービスを始めました。


Amazonといえば、オンラインのイメージがまだ強いですが、このようなオフラインのチャネルを構築することで幅広く顧客データを集められます。


IKEA(イケア)


IKEAは、近年DXとオムニチャネル戦略を推進しています。2017年4月にサイトに掲載している商品をショッピングリストに追加したら、店舗受け取りか自宅への配送を選択して決済できるEC事業を開始しました。


2020年4月には、IKEAアプリをリリースしました。そして6月に原宿に出店したのを皮切りに11月に渋谷、2021年5月に新宿とシティショップの開店にも踏み切りました。


新型コロナウィルスの影響により多くの実店舗を閉鎖した中、逆にオンラインチャネルに50億人以上を集客し、オンラインの売上高が全体の26%を占めるようになりました。


Nike(ナイキ)


Nikeは、ほかの企業よりも早くからDXを推進しています。2006年にiPodと連携してアクティビティの測定ができるNike+をローンチしました。


Nike+のサービスは2018年に終了したものの、近年はモバイルアプリに注力しています。スニーカー特化型アプリ・アパレル総合アプリ・トレーニング特化型アプリ・ランニング特化型アプリの4種類のアプリをリリースしました。アプリでは限定商品の販売や新商品の紹介動画を配信することで顧客体験を向上させています。


地方在住者も気軽にアプリから人気商品を購入できる工夫も施し、その結果、NikeD2Cの売上高が堅調なだけでなく、売上割合も2019年8月の31%から2022年2月には42%まで上昇しました。


小売DXを推進するツール「はたLuck(R)」


小売DXを推進したい人におすすめのツールがはたLuck(R)です。そこで小売DXを進めるために、はたLuck(R)にどのような機能があるのか見ていきましょう。


本部・店舗・スタッフ間の情報共有を一気通貫で行う「連絡ノート」機能

はたLuck(R)では、本部・店舗・スタッフ間の情報共有を一気通貫で行う「連絡ノート」機能を提供しています。


この機能では、朝礼などのMTGで周知される共有事項や新しい商品の情報などを、店舗に行かなくても確認できるようになります。


また、「見ました」ボタンがあるので、スタッフを管理する店舗責任者は誰が確認していないのか簡単に把握可能です。


接客・サービス品質を改善できる「学習する」機能

はたLuck(R)には「学習する」機能が搭載されており、動画・テキスト・画像などさまざまな方法でのマニュアルを確認することが可能です。


カテゴリ別にマニュアルを分類できるため、スタッフは必要な情報にすぐアクセスできます。もう一度読み返したいマニュアルにピン留めしておけば、復習もしやすくなるので習熟度の向上につながります。


アプリ内でシフト管理を完結できる「シフト」機能


はたLuck(R)では、アプリ内でシフト管理が完結します。店舗責任者にとってシフトの申請・作成・確認などは負担の重い業務です。


「シフト」機能を活用すれば、シフトの申請を促したり、スタッフの希望に応じて調整したりといった業務の負担を軽くできます。


また、他店舗の人員の過不足も確認できるので、ヘルプの要請や応援を容易にできるようになります。


従業員のエンゲージメントを向上する「星を贈る」機能

従業員満足度の向上は、売上や顧客満足度アップに欠かせません。


はたLuck(R)では、従業員満足度を向上するために「星を贈る」機能を提供しています。この機能を使えば、気軽にスタッフへ感謝や激励の気持ちを伝えられるようになるのです。


また、スタッフ間の関係性を深めたり、職場環境の改善をしたりしやすくなるので、離職率を抑えることができます。


デジタルツールを用いて小売DXを進めよう


小売DXを推進するためには、デジタルツールの導入が必要不可欠です。DXを進めれば、多様化する消費者ニーズへの対応と人手不足の解消につなげられます。近年では、国内外ともにDXを推進する会社が増えています。


これから小売DXを推進したいのであれば、シフト管理の負担を軽減したりスタッフの満足度を向上したりできる機能のあるはたLuck(R)をおすすめします。はたLuck(R)を使えば、シフトの作成やスタッフの教育および定着にかかる負担軽減が可能です。


ぜひ、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。